
ナリ
東京を拠点に、スモールビジネスを複数運営しています。サラリーマン時代に副業からビジネスを始め、その後独立。eBay輸出歴10年以上・最高月商1,300万円。
eBay輸出だけでなく、中国輸入・卸販売、自社EC、複数のオウンドメディア運営、リユース店舗の運営、実店舗ビジネスなど、さまざまな事業をゼロから立ち上げてきました。事業売却(M&A)は3回以上経験しています。
ナリブログでは、こうした実際の経験をもとに、eBay輸出・副業・スモールビジネスのリアルな情報を発信しています。
突然アカウントが止まった…これって終わり?

eBay輸出をやっていると、いつか必ず直面するのがサスペンドの問題です。
ある日突然、売れていた商品が全部消えて、出品もできなくなる。
あの瞬間の焦りは経験した人にしかわかりません。
結論から言うと、サスペンドには「復活できるもの」と「ほぼ復活不可能なもの」の2種類あります。
どちらかによって、対応がまるで変わります。
この記事では、それぞれの原因・見分け方・対処法を実務目線で解説します。
なお、日本で「サスペンド」と呼ばれているものは、英語では正確には Restriction(リストリクション) と表記されます。
eBayからのメールにもこの単語が使われているので、覚えておくと混乱しにくくなります。
秘書サスペンドって、ある日突然来るんですか…?
ひと目でわかる:サスペンド2種類の基本数字


まず、一時サスペンドと永久サスペンドの違いを数字で整理しておきます。



MC011の復活率は体感でも本当にこのくらいだと思います。担当者ガチャ的な側面もあるので、「絶対無理」ではないですが、期待しすぎるのも危険です。
一時サスペンドと永久サスペンド、何が違うの?


一時サスペンドは、文字通り期間が決まっている停止です。
メールに「5日間」「30日間」と書かれているなら、それまで待てば自動で解除されます。
新規セラーがセキュリティチェックに引っかかるケースが多く、eBayに連絡して簡単な本人確認(何を売るつもりか、など)に答えるだけで解決することがほとんどです。
一方の永久サスペンドは話が別です。
eBayから届くメールに 「MC011」や「MC010」 という番号が含まれていたら、それは事実上の退場宣告です。
メールの内容はおおむね以下のようなものです。
- 「販売権限を制限しました」
- 「新規アカウントの登録もできません」
- 「既存の出品を削除しました」
復活できる可能性はゼロではありませんが、MC011を受け取った場合、交渉しても解除されないケースが9割以上というのが実感です。
ただし、本当に身に覚えがないなら諦めずに交渉する価値はあります。



MC011のメールが来たら、もう本当に終わりなんでしょうか…



一度断られても、別の担当者につながると通ることもゼロではありません。ただ、何度やっても無理なケースが大半なので、あまり時間をかけすぎるより次のアクションを考えたほうがいい局面も多いです。
サスペンドの主な原因、何がいちばん危ない?


サスペンドにつながる原因は複数あります。
まとめると以下の通りです。
| 原因 | リスクレベル | 補足 |
|---|---|---|
| 出品禁止商品・VeROプログラム違反 | 高 | 繰り返すと永久停止になりやすい |
| 在庫切れ商品の放置・未発送 | 高 | キャンセル手続きなしの未発送は特に危険 |
| ビロースタンダード状態の長期化 | 高 | 2〜3ヶ月続くと停止対象になりやすい |
| ポジティブレートの低下 | 中〜高 | 90%を下回ると警戒ライン |
| 複数のIPアドレスから頻繁にログイン | 中 | 海外IPや外注のログインで引っかかりやすい |
| eBayからのメールを無視・見落とし | 中 | 重要な対応を放置すると停止になることも |
VeROプログラムとは、eBayの知的財産保護の仕組みです。
簡単に言うと「ブランドやメーカーが自分たちの商品を守るための申告制度」で、申告されると出品が削除されます。
注意したいのは、VeROに参加していないブランドの商品でも、誰かにレポートされることでeBayから違反通告が来ることがある点です。
「他のセラーも出品しているから大丈夫」は危険な思い込みです。
VeROの1〜2回違反は通常5〜30日の出品停止で済みますが、繰り返すと永久サスペンドになるリスクが跳ね上がります。
また、ビロースタンダードとはeBayによるアカウント評価の区分のひとつです。
発送遅延・キャンセル率・未解決ケースなどが基準を超えると「Below Standard(基準以下)」に分類されます。
通常の「Above Standard」に戻せるなら問題ありませんが、数ヶ月この状態が続くとeBayから改善が見込めないと判断されてしまいます。



IPアドレスって、外注さんに作業してもらうときも気をつけないといけないんですね。



外注に直接ログインしてもらう作業フローは、サスペンドリスクという観点からも見直したほうがいいケースがあります。アカウント管理ツールや作業の分担設計は、早めに考えておく価値があります。
見落とされがちな落とし穴:これでサスペンドになる人が多い
よくある原因は上で触れましたが、実務をやっている人が意外と見落としているポイントをいくつか挙げます。
- eBayからのメール通知を見ていない:迷惑メールに入っていたり、量が多くて流し読みしているうちに重要な警告を見逃すケースがあります。アップデートの案内を無視していたまま気づかずに規約違反になっていた、というパターンも実際にあります。
- 在庫管理ができていない:ノーキャンセル・ノー発送を繰り返すのは、バイヤーを裏切る行為としてeBayが非常に重く見ます。在庫切れが増えてきたら、出品を一時停止するだけでもリスクを大きく下げられます。
- 重複出品による意図せぬ規約違反:同じ商品を複数の出品IDで出してしまうと、eBayのシステムに引っかかりやすくなります。重複出品の防ぎ方については以下の記事で詳しく解説しています。
- 評価数が少ない状態で高額商品を出す:新規セラーが初期にやってしまいがちな行動で、不審なアカウントとみなされてセキュリティが発動するケースがあります。最初は評価を積み上げながら出品規模を拡大するのが安全です。
評価を早期に増やす戦略については、初心者でも販売評価を速く積む方法の記事も参考にしてみてください。



重複出品でもサスペンドになるんですか、それは知らなかったです…
サスペンドされてしまったら、どう動けばいい?


実際にサスペンドされたときのアクションをステップで整理します。



交渉の文章は、長々と言い訳を書くより「何もしていないはずなのに理由が不明、解除してほしい」とシンプルに伝えるほうがむしろ通りやすい印象があります。担当によって結果が変わるので、諦めずに複数回試す価値はあります。
永久サスペンド後のアカウント再作成、どこまで変えればいい?
MC011などで永久サスペンドされた場合、同じ情報でアカウントを再作成することはできません。
eBayは以下の情報を紐付けてチェックしています。
- 氏名・住所などの登録情報
- IPアドレス
- 紐付けた決済アカウント情報
これらをすべて切り替えることで、新たにアカウントを作ることは可能です。
ただし、この運用にはいくつかの注意点があります。
詳しくはeBayのサブアカウント・複数アカウントの考え方について解説した記事と、マルチプラットフォームでの凍結リスクの連鎖についての記事を参考にしてください。
また、決済にPayoneerを使っている場合、アカウント情報の整理が必要になることがあります。
Payoneerの登録・審査でつまずいている方は、Payoneerの追加書類問題と解決策の記事も合わせて読んでみてください。



全部の情報を切り替えるのって、かなり大変そうですね…



「どこまで変えれば大丈夫か」という質問はよく受けますが、正直なところ完全なボーダーラインをここに書くのは難しいです。気になる方は個別にお問い合わせいただけると、状況に応じて話せます。
サスペンドを未然に防ぐための習慣チェックリスト


サスペンドは予防が最重要です。
以下をルーティンで確認する習慣をつけておくと、リスクを大幅に下げられます。
- eBayからのメール・メッセージを毎日確認する:見落としが命取りになることがあります。
- 在庫状況を週1回は見直す:在庫切れ商品は即削除か一時停止。キャンセルが必要なときは必ず正規手続きを踏む。
- 出品前にVeROリストを確認する:「他の人が出品しているから」は危険な根拠です。必ず自分で確認してください。
- アカウント評価(Above Standard)を維持する:ビロースタンダードになったら即対策。2ヶ月以上放置しない。
- ポジティブレートを97%以上に保つ:90%を下回ると警戒レベルです。
- 外部からのアクセスを最小限にする:外注に直接ログインさせる運用は慎重に。
アカウント全体のリスク管理という観点では、APIを使った在庫管理ツールがアカウントに与えるリスクについての記事も参考になります。
規模が大きくなるほど、ツール選びがサスペンドリスクに影響してくるので要チェックです。



毎日確認するのは大変ですが、それが基本なんですね。
まとめ・よくある質問


サスペンドは突然来ますが、種類によって対処法がまったく違います。
一時サスペンドならほぼ確実に解決できますし、永久サスペンド(MC011)でも交渉する価値はあります。
ただ、何より大切なのは「サスペンドになる前に防ぐこと」です。
よくある質問をまとめました。



サスペンド対策は、普段の運用習慣の積み重ねです。「問題が起きてから動く」より「起きないようにする」ほうがずっと楽なので、チェックリストを定期的に見直す習慣だけでも身につけてほしいです。
MC011のメールが来たら本当に終わりですか?
ほぼ復活できないケースが9割以上ですが、身に覚えがないなら諦めずにeBayへ交渉する価値はあります。1度断られても、別の担当者に当たると状況が変わることがあります。
永久サスペンド後に新しいアカウントを作れますか?
氏名・住所・IPアドレス・決済アカウントをすべて切り替えれば作ること自体は可能ですが、運用には注意点があります。同じ情報を少しでも使うと紐付けられるリスクがあります。
VeRO違反は何回まで許容されますか?
1〜2回であれば5〜30日の一時停止で済むことが多いですが、繰り返すほど永久サスペンドのリスクが上がります。ルール自体は変わることがあるため、eBay公式で最新情報を確認してください。
外注スタッフにアカウントへのログインをさせてもいいですか?
複数のIPアドレスから頻繁にログインするとセキュリティが発動してサスペンドになることがあります。外注への作業依頼はログイン不要の形で設計するか、アクセス管理を慎重に行うことをおすすめします。
ポジティブレートは何%を維持すれば安全ですか?
一般的に97〜100%が通常の範囲です。90%を下回るとeBayがアカウントに悪影響があると判断するリスクが高まります。ネガティブ評価がついたらすぐに原因を改善することが大切です。













