
ナリ
東京を拠点に、スモールビジネスを複数運営しています。サラリーマン時代に副業からビジネスを始め、その後独立。eBay輸出歴10年以上・最高月商1,300万円。
eBay輸出だけでなく、中国輸入・卸販売、自社EC、複数のオウンドメディア運営、リユース店舗の運営、実店舗ビジネスなど、さまざまな事業をゼロから立ち上げてきました。事業売却(M&A)は3回以上経験しています。
ナリブログでは、こうした実際の経験をもとに、eBay輸出・副業・スモールビジネスのリアルな情報を発信しています。
「Amazonで仕入れてeBayで売るだけ」の落とし穴

ある日の午後、こんなDMが届きました。
「Amazonで仕入れてeBayに出してるんですが、全然売れなくて…。
何が悪いんでしょう?」
正直、このパターンのご質問はここ数年で何十件ときています。
そのたびに思うのは、「仕組みを理解する前に動いてしまったんだな」ということです。
悪いのはその人の努力ではなくて、そもそもの構造的な問題です。
今回はその「構造」をきちんと解説していきます。
秘書Amazonで仕入れてeBayで売る、ってすごく自然な発想に見えるんですが…なぜダメなんですか?



この質問、本当に多いです。仕組みを知らずにスタートして「売れない→やめる」という流れを何度も見てきたので、まず構造から理解してほしいなと思います。
価格が3段階で積み上がる「マトリョーシカ問題」


まずシンプルな価格の話をします。
Amazonはご存知の通り、国内最大のプラットフォームです。
だから当然、国内転売をしている人が山ほどいます。
店舗やフリマサイトで仕入れて、Amazonで利益を乗せて売っているわけです。
そうすると何が起きるか。
Amazonの価格は、すでに一度「転売マージン」が上乗せされた状態になっています。
そこからさらにeBayで利益を乗せて売ると、こうなります。
- 店舗仕入れ値:1万円
- Amazonの価格:1万5,000円(国内転売マージン込み)
- eBay出品価格:2万円(さらにeBayマージン込み)
これを海外の買い手が見たとき、「この価格で買う理由があるか?」と考えます。
Amazon USAから直接買える商品も年々増えていますし、正直かなり厳しい状況です。



確かに…自分が買い手だったら、もっと安く買えるところを探しますよね。
見落とされがちな「中国セラー」の存在


もう一つ、見ておいてほしいことがあります。
Amazonに並んでいる商品って、かなりの割合が中国製品ですよね。
フィギュア、雑貨、ガジェット…。
ではその製造元はどこで売っているか。
中国の製造元が、すでにeBayに直接出品しているケースが非常に多いのです。
「なんでこんなに安いんだろう」と思う出品を見たことはありませんか?あれは仲介業者を一切挟まず、作った会社がそのまま売っているから安いんです。
多くの方はリサーチするとき、条件を「JAPANセラー」に絞って検索しますよね。
だから中国セラーの出品が目に入らない。
一度、セラー国籍の絞り込みを外して同じ商品を検索してみてください。
同一商品が驚くほど安い価格で大量に出ているはずです。
Amazonで仕入れてどれだけ頑張っても、製造元の価格には絶対に勝てません。
これが、もう一つの構造的な壁です。



「JAPANセラーに絞る」というクセがある人ほど、中国セラーの存在を見落としがちです。一度フラットな目で全体を見るだけで、市場感がガラッと変わります。
先行者が作った「出来レース」の現実


「それでも数を出せば売れるんじゃない?」という声もあります。
数万点出品して薄利多売で稼ぐ戦略ですね。
これも正直に言います。
後発で月利20万円以上をシンプルに出せている人の話は、僕は聞いたことがありません。
もしいたらすみませんとは思いますが、それが現実の肌感です。
なぜかというと、先行者がすでに桁違いの出品数を持っているからです。
| 比較項目 | 先行者セラー | 後発セラー |
|---|---|---|
| 評価数 | 1万件以上 | 100件前後 |
| 消費税還付 | 受取済み・フル活用 | これから申請 |
| 送料割引 | 大口割引あり | 定価に近い送料 |
| 外注・自動化 | 構築済み | 自分で作業中 |
| 出品価格 | 安く設定できる | コストが高いため安くできない |
評価が1万件あるセラーと、100件のセラーが同じ商品を出したら、買い手はどちらを選ぶか。
これはもう出来レースと言っていいと思います。
普通の人が思いつくような商品は、すでに先行者の誰かがカバーしています。
同じ土俵に乗っても消耗するだけです。



先行者がすでに数万点〜数十万点出してるとなると、後から同じやり方で追いつくのはほぼ無理ですね…



「ツールで10万個出せば違う」という意見もわかります。でも後発でそれをやる体力・時間コストを考えると、別の仕入れ先を開拓するほうがよほど合理的だと僕は思います。
向いている人・向いていない人


「Amazon→eBay」のスタイルが向いているかどうかは、正直スタート時点の状況でかなり変わります。
| 項目 | 向いている人 | 向いていない人 |
|---|---|---|
| 参入タイミング | 数年前から取り組んでいる先行者 | 今から新規で始める後発組 |
| 出品規模 | 数万〜十数万点を維持できる環境がある | 数百〜数千点で試している段階 |
| 仕入れの視点 | Amazonのニッチ商品を独自に発掘できる | 人気ジャンルをそのまま仕入れる |
| リサーチ力 | 中国セラーと被らない商品を見つけられる | JAPANセラーの絞り込みだけでリサーチしている |
今から始める方や、月利20万円以上を目指して動いている方には、Amazonだけに依存しない仕入れルートの開拓を強くおすすめします。



じゃあ今からeBay輸出を始めるなら、仕入れ先はどこを考えればいいんですか?
ただし「こういう使い方」ならAmazonは最高の武器になる


ここまで読んで「じゃあAmazonは使えないのか」と思った方、そうではありません。
Amazonは使い方次第で、非常に強力なツールになります。
ある程度eBay輸出を経験している方ならピンとくると思いますが、「仕入れ先」としてではなく、別の使い方をするということです。
具体的な使い方については、コンサルや個別の記事で順次公開していますが、ここでポイントだけ言うと、「Amazonの情報をリサーチに使う」という視点が軸になります。
売れているもの・価格・ランキングの変動を読み取って、仕入れ先は別に確保する。
この組み合わせが、今の市場環境では現実的な戦い方です。



「Amazonで仕入れてeBayで売る」と「Amazonをリサーチツールとして使ってeBayで売る」は、似ているようで全然違います。この差に気づけるかどうかで、結果がかなり変わると思います。
こんな声も
同じ壁にぶつかった方からいただいた声をもとに構成しています。
Amazonで仕入れて出品してみたけど、価格が全然合わなかった。後から中国セラーが同商品をはるかに安く出してるのを見て、そりゃ売れないわと納得しました。
ツールで大量出品すれば解決すると思ってたんですが、先行者が何年もかけて積み上げた評価数には太刀打ちできませんでした。仕入れ先を変えてから少しずつ改善しています。
JAPANセラーに絞ってリサーチしていたので、中国セラーの存在を全然把握できていなかった。絞り込みを外して検索したら、同じ商品がめちゃくちゃ安く出てて衝撃でした。
※特定個人の発言ではなく、編集部が一般的な傾向をもとに構成した内容です。
よくある質問
Amazon仕入れとeBay輸出について、よくいただく質問をまとめました。
Amazonで仕入れてeBayで売るのは完全にNGですか?
「完全にNG」ではありません。ただし先行者が有利な構造になっているため、後発で今から大きな利益を出すのは難しい状況です。Amazonをリサーチツールとして活用しつつ、仕入れ先を分散させる戦略が現実的です。
中国セラーと競合しない商品を見つけるにはどうすればいい?
まずセラー国籍の絞り込みを外して、同一商品に中国セラーがいるか確認する習慣をつけることが第一歩です。日本独自の文化・ブランドに紐づいた商品は、中国セラーが参入しにくいジャンルの一つです。
自動大量出品ツールを使えば稼げますか?
先行者が既に同様のツールで大量出品している状態では、後発が同じ手法を使っても効果は限定的です。評価数・送料・還付の差が積み重なり、価格競争でも不利になりやすいのが実情です。
消費税還付とは何ですか?
輸出した商品にかかった消費税を、一定条件を満たすと税務署に申請して戻してもらえる制度です。仕入れ時に払った消費税分が戻ってくるイメージで、先行者は還付分を価格に反映させているため安く売れます。
eBay輸出で今から勝てる仕入れ先はどこですか?
Amazonだけに依存せず、リサイクルショップ・オークション・メーカー直取引など複数の仕入れルートを持つことが重要です。特定の仕入れ先だけに頼ると、構造的に厳しくなるケースが多いです。
まとめ:仕入れ構造の理解が、eBay輸出の出発点


今回の話をまとめます。
- Amazonの価格はすでに国内転売マージンが乗っており、そこにさらに上乗せすると海外バイヤーに届かない価格になりやすい
- 中国の製造元がeBayに直接出品しているケースが多く、価格では絶対に勝てない
- 先行者が大量出品・評価・還付・送料割引をフル活用しており、後発が同じ土俵で戦うのは構造的に不利
- ただし、Amazonを「仕入れ先」ではなく「リサーチツール」として使う方法は有効
「なんで売れないんだろう」と悩んでいるなら、まず自分の仕入れ構造を見直すところから始めてみてください。
努力の方向を変えるだけで、状況は変わります。



「稼げない=努力不足」ではなく「稼げない=仕入れの構造問題」であることがほとんどです。方向性さえ合えば、結果はついてきます。













