
ナリ
東京を拠点に、スモールビジネスを複数運営しています。サラリーマン時代に副業からビジネスを始め、その後独立。eBay輸出歴10年以上・最高月商1,300万円。
eBay輸出だけでなく、中国輸入・卸販売、自社EC、複数のオウンドメディア運営、リユース店舗の運営、実店舗ビジネスなど、さまざまな事業をゼロから立ち上げてきました。事業売却(M&A)は3回以上経験しています。
ナリブログでは、こうした実際の経験をもとに、eBay輸出・副業・スモールビジネスのリアルな情報を発信しています。
「catawikiで月30万!」の裏で静かに撤退している人たちの話

「catawikiで日本のヴィンテージ品が高値で売れる」という話、SNSやYouTubeで目にしたことがある人も多いと思います。
確かに、日本の古い民芸品や昭和レトロな雑貨がヨーロッパのコレクターに数万円で売れた、という実例は存在します。
ただ、調べてみると、始めた人の多くが1〜2年でフェードアウトしているという現実も見えてきました。
「儲からない」という声は決して少なくなく、むしろ継続できている人の方が少数派かもしれません。
catawikiはオランダ発のオークションプラットフォームで、アート・ジュエリー・コレクタブルに特化した欧州最大級のサイトです。
日本からの出品者も増えていますが、仕組みをよく理解しないまま始めると「思っていたのと違う」となりやすい構造的な問題があります。
今回はその実態を正直に書いてみます。
秘書「月30万円!」みたいな話はよく見かけるんですが、続けている人ってどのくらいいるんでしょう?



正直に言うと、「儲かる」という発信の多くは初期の蜜月期の話で、1年後の状況はあまり語られていません。構造的に難しい部分があるので、その話をしっかりしたいと思います。
ひと目でわかるcatawikiの実態数字


まず、catawikiで日本から出品する場合の基本的な数字感を先に共有しておきます。
「思ったより手数料が高い」「利益が残りにくい」という声が多い理由は、この数字を見るとわかってきます。
catawikiに出品するまでの「本当のコスト」


catawikiは登録自体は無料です。
ただし、初期費用ゼロで始められるというのは半分本当で、半分は誤解があります。
まず、仕入れ費用が必要です。
catawikiは「鑑定済みの価値ある品」を出品するプラットフォームなので、何でも出せるわけではありません。
専門家によるキュレーション審査があり、通らなければ出品すらできません。
そのため、ある程度まとまった在庫を用意してから始める必要があります。
ヴィンテージ雑貨・骨董品・アンティーク家具などは1点あたりの仕入れ値も高めで、最低でも数万円〜数十万円規模の在庫投資が現実的な出発点です。



審査があるんですね。「何でも出せる」わけじゃないのは知りませんでした。
実際の利益はいくら残るのか?手数料の重さが想像以上


catawikiの手数料構造は、他の越境ECと比べると少し複雑です。
売り手側にかかる手数料は売上の約12.5%が基本ですが、これ以外にも国際配送費・梱包コスト・為替コストがのしかかってきます。
たとえば1万円で仕入れた品が50ユーロ(約8,000円)で落札された場合、手数料だけで約1,000円が引かれ、配送費が3,000〜5,000円かかるとすると、手元に残るのは2,000〜4,000円程度です。
仕入れ値と同等か、それ以下になるケースも珍しくありません。
利益が出るのは、仕入れ値の3〜5倍以上で落札された場合に限られます。
そういう「大当たり」が続けば確かに稼げますが、毎回それを狙い続けるのは難しいのが現実です。



手数料だけ見ると「まあそんなもの」と思うかもしれませんが、国際配送費が地味に重い。eBayと比べてもcatawikiは欧州向けが多いので、送料は安く見積もっても1件3,000〜6,000円はかかります。
「儲からない」と感じる人が続出する3つの構造的な理由


catawikiで結果が出なかった人の話を聞いていると、だいたい同じ理由でつまずいています。
個人のスキルの問題というより、プラットフォームの構造的な問題が大きいと思っています。
| 理由 | 内容 |
|---|---|
| 審査落ちが多い | 出品審査が厳しく、仕入れた品の3〜6割が通らないことも。出品できないまま在庫が積み上がる |
| 競合の増加と値崩れ | 日本のヴィンテージ品ブームで出品者が急増。希少性が薄れると落札価格が急落する |
| 為替・配送コストの変動 | 円安でも「送料込み」で計算すると利幅が消えるケースがある。円高局面ではさらに厳しい |
| リピート仕入れの難しさ | 「売れた品と同じものをまた仕入れる」が基本的にできない。毎回リサーチと審査のやり直しが発生する |
特にリピート仕入れができないという点は、eBay輸出や国内転売と比べたときの大きな弱点です。
稼ぎ頭を見つけても量産できないため、安定収入への道のりが遠くなります。
中国輸入×国内転売vseBay輸出の利益率・リスク比較についてはこちらの記事でも詳しく書いていますので、参考にしてみてください。



審査で落ちたら仕入れ代が無駄になりますよね…それって結構キツくないですか?



そうなんです。これが地味に精神的にも財布的にも痛い。審査落ちした品をメルカリやヤフオクで捌くという作業も発生して、結局二度手間になる人が多いです。
「輸入総代理モデル」はもっと危ない。儲かるうちに売る人が多い理由
catawikiで稼ぐ手法として、一部のコンサルタントが教えているのが「欧州ブランドの輸入総代理権を取得して日本で販売する」というモデルです。
確かに、うまくいけば高粗利で回せる可能性があります。
ただ、僕がこのモデルを見てきた印象では、長続きしないケースの方が圧倒的に多いと感じています。
理由は主に2つです。
1つ目は総代理契約を切られるリスク。
販売数が伸びてブランド側に力がついてくると、「日本法人を作って直接やる」「もっと大きな代理店に切り替える」という判断をされることがあります。
代理店契約は更新制であることが多く、ある日突然「更新しない」と通告されるケースも実際にあります。
2つ目は中国からの類似品の登場です。
欧州の小さなブランドの商品は、デザインが良ければ良いほど、数ヶ月以内に中国メーカーが類似品を製造し始めます。
Amazonやアリエクスプレスに類似品が出回ると価格競争になり、総代理でも太刀打ちできなくなります。
この2つのリスクが重なると、事業の寿命は短くて1〜2年ということもあります。
「儲かっているうちに事業を売却する」という判断をする人が多いのも、実際この業態では理に適っています。
撤退すべき数字の見極め方については、こちらの記事で詳しく解説しています。



輸入総代理は「参入障壁が高い=安定」というイメージがあるかもしれませんが、ブランド側の一存で終わる構造は本質的に不安定です。個人的にはこのモデルに資本を集中させるのは怖いと思っています。


こうした「儲かるうちに撤退・売却する」判断の仕方や、次のビジネスへの移行戦略は、WE BUILDのプログラムでも相談を受け付けています。
副業・スモールビジネスをゼロから設計したい方はぜひ。
WE BUILDを見る →こんな声も(よくある失敗パターン)
以下はナリが一般的な傾向をもとに構成した声です。
実在の特定個人の発言ではありませんが、よく聞くパターンをまとめています。
仕入れた品の半分以上が審査落ち。売れない在庫が部屋に積み上がって、気づいたらメルカリで捌くだけの日々になっていました。catawikiのためにやっているのかメルカリのためにやっているのか…
欧州ブランドの代理権を取って最初の半年は調子よかったんですが、1年後にそのブランドが日本法人を作ると言い出して契約終了。後継ビジネスが見つからず、結局2年で撤退しました。
eBayと比べて審査が厳しすぎて出品スピードが上がらない。月に出せる点数が限られるので、売上を伸ばすのにeBayの何倍も時間がかかる感覚でした。
※特定個人の発言ではなく、編集部が一般的な傾向をもとに構成した内容です。
catawikiに向いている人・正直やめておいた方がいい人


catawikiを始める前に、自分がどちらのタイプかを冷静に確認しておくことをおすすめします。
| 向いている人 | やめておいた方がいい人 |
|---|---|
| 骨董・アンティーク・民芸品の目利きがある | 何を仕入れれば良いか全くわからない状態の人 |
| 欧州市場に興味があり、英語・仏語・独語で対応できる(または学ぶ気がある) | 「副業で手軽に稼ぎたい」という軽いモチベーションの人 |
| 在庫管理が苦にならず、長期視点で育てられる | 月収を安定させたい・再現性高く稼ぎたい人 |
| 事業売却(M&A)を視野に入れた戦略的な取り組みができる | 審査落ちのストレスに弱い・即収益を求める人 |
目利き力と欧州市場への知識がある人にとっては、差別化できる余地が大きいプラットフォームです。
逆に「流行っているから」という理由だけで参入すると、消耗して終わる可能性が高いです。
Etsy・Amazon Handmade・Shopeeとの手数料・特性比較はこちらの記事も参考になります。
catawikiを始めるなら、この順番で動く


それでも挑戦してみたいという方のために、現実的な進め方をまとめておきます。
いきなり大量仕入れから始めるのが最も危険なので、小さく検証することが先決です。


「catawikiで稼げそうか確認したいが、次のビジネスの選択肢も一緒に考えたい」という場合は、WE BUILDのプログラムでアドバイスしています。
eBay輸出・EC・Webビジネスなど複数の選択肢を比較しながら進めたい方向けです。
WE BUILDを見る →catawikiについてよくある質問
よくある質問をまとめました。
catawikiの手数料はどのくらいですか?
売り手側にかかる手数料は売上の約12.5%が目安です。これに加えて国際配送費・梱包費が発生するため、実際の手取りは落札価格の6〜7割程度になるケースも多いです。
出品審査は誰でも通りますか?
通りません。catawikiはコレクタブル品に特化したプラットフォームで、専門家による審査があります。状態・希少性・価値が認められないと審査落ちになります。体感では仕入れた品の3〜6割が通過しないこともあります。
eBayとcatawiki、どちらが稼ぎやすいですか?
再現性・安定性・出品スピードの面ではeBayの方が有利なケースが多いです。catawikiは高単価が狙えますが審査・在庫回転の面で制約が大きく、毎月安定した収益を作るのはeBayより難しいと感じています。
輸入総代理モデルは本当に儲かりますか?
初期は高粗利で回せる可能性がありますが、契約を切られるリスクや中国からの類似品の出現で、1〜2年で状況が激変することが多いです。長期安定を前提としたモデル設計は難しいです。
catawikiはやめておいた方が良いですか?
骨董・ヴィンテージの目利き力がある人にとっては有望な市場です。ただし「手軽な副業」として始めると消耗するリスクが高いです。少量テストで通過率・利益率を確認してから判断することをおすすめします。
まとめ:catawikiは「儲からない」か?正直な結論
結論から言うと、catawikiで安定して稼ぎ続けるのは難しいというのが僕の見立てです。
稼げている人が実際にいるのは本当ですが、その多くは骨董・アンティークの深い知識を持っていて、かつ市場のタイミングが良かった人です。
「日本のヴィンテージ品が海外で売れる」という旬のブームに乗れた時期が、すでにピークを過ぎつつあるという見方もあります。
輸入総代理モデルはさらにリスクが高く、契約解除・類似品の出現・市場縮小の三重苦が重なるリスクを常に抱えています。
「儲かっているうちに売却する」という判断が合理的に見えるのは、それだけ持続性に自信が持てないからです。
「catawikiで稼ぐ」を副業の本命に据えるより、越境ECの選択肢の一つとして位置づけ、小さく試しながら他のプラットフォームと並走させる方が現実的だと思います。
副業・スモビジの撤退を判断する数字の基準について、こちらの記事でも詳しく解説しています。
catawikiに限らず、どんなビジネスでも「撤退ライン」を先に決めておくことが大事です。
参考にしてみてください。



個人的には、catawikiを「夢のあるプラットフォーム」として否定したいわけではないんですよね。ただ、夢を語るコンテンツが多い割に、続けられない理由を正直に語るコンテンツが少なすぎる。だからこそ書きました。











