
ナリ
東京を拠点に、スモールビジネスを複数運営しています。サラリーマン時代に副業からビジネスを始め、その後独立。eBay輸出歴10年以上・最高月商1,300万円。
eBay輸出だけでなく、中国輸入・卸販売、自社EC、複数のオウンドメディア運営、リユース店舗の運営、実店舗ビジネスなど、さまざまな事業をゼロから立ち上げてきました。事業売却(M&A)は3回以上経験しています。
ナリブログでは、こうした実際の経験をもとに、eBay輸出・副業・スモールビジネスのリアルな情報を発信しています。
「売れると思って仕入れたのに、1件も売れなかった」

eBay輸出を始めてしばらく経った頃、僕はコレクティブルズ(Collectibles)に絞って出品を増やしていた時期がありました。
カテゴリ自体の取引数は多いし、「日本のアイテムは海外で人気」という話を信じて仕入れを重ねたんですが、実際に売れたのはごく一部。
売れ残りがどんどん積み上がっていきました。
後からテラピークで数字を確認したら、コレクティブルズの購入率は約11%。
つまり出品されている商品のうち89%は売れずに終わっているジャンルだったんです。
「取引数が多い=売れやすい」は、完全に思い込みでした。
この失敗から、「購入率」という指標をちゃんと見るようになりました。
今回はその購入率をカテゴリ別に調べた結果を整理しつつ、リサーチで気をつけるべき落とし穴も一緒に紹介します。
秘書取引数が多いカテゴリを選べば安心、って思っちゃいますよね…



コレクティブルズはライバル数がとにかく多くて、後発で入ると価格競争に巻き込まれやすいです。取引数の大きさに目が行きがちですが、まず購入率を見る習慣をつけるのが先だと思っています。
なぜ「売れないカテゴリ」に出品してしまうのか


失敗するパターンは、だいたい同じです。
「なんとなく人気がありそう」「自分が好きなジャンル」「仕入れやすいもの」で出品先を決めてしまう。
テラピークというツールはeBayが提供する公式リサーチツールで、ざっくり言うと「どのカテゴリでどんな商品がいくらで売れているか」を過去データから調べられる機能です。
有料会員であれば追加費用なく使えます。
その中でも「購入率」という指標が特に重要です。
購入率とは、出品された商品のうち実際に売れた割合のこと。
たとえば100件出品されて10件売れたなら購入率10%です。
スーパーで言うと、棚に並んだ商品が閉店までに売れる確率みたいなイメージです。
見落とされがちな落とし穴は、主に3つあります。
- 取引数の多さと購入率は別物:コレクティブルズのように取引数が多くても購入率が低いカテゴリは、ライバルが多すぎて売れ残りが大量発生している状態です
- サンプル数が少ないカテゴリは参考にしにくい:ペット用品やベビー用品のように取引数自体が少ないカテゴリは、購入率が高く見えても母数が10件未満だと偶然の数字である可能性が高いです
- キーワードに依存した結果である点を忘れる:今回の調査は「Japan」というキーワードで絞ったデータです。そのカテゴリ全体の傾向とは異なる場合があります



「Japan」キーワード限定のデータなんですね。それは見落としそうです。



キーワード「Japan」で絞っているので、日本語圏のバイヤーや日本好きの海外コレクターが探す商品に近いデータです。全カテゴリの平均とはズレが出るので、あくまで一つの参考データとして使うのが正しい使い方だと思います。
カテゴリ別の購入率データ(テラピーク調べ)


実際にテラピークで「Japan」キーワードを使って調べた、カテゴリ別の購入率データです。
売れた数・売れなかった数・購入率を一覧にまとめました。
| カテゴリ | 売れた数 | 売れなかった数 | 購入率 |
|---|---|---|---|
| Stamps(切手) | 224 | 253 | 46.96% |
| Pet Supplies | 5 | 7 | 41.67% |
| Computers/Tablets | 6 | 9 | 40.00% |
| Sporting Goods | 135 | 255 | 34.62% |
| Baby | 1 | 2 | 33.33% |
| Video Games & Consoles | 66 | 159 | 29.33% |
| Dolls & Bears | 109 | 275 | 28.39% |
| Crafts | 11 | 29 | 27.50% |
| Musical Instruments | 69 | 189 | 26.74% |
| Coins & Paper Money | 60 | 181 | 24.90% |
| Music(CD等) | 189 | 591 | 24.23% |
| Toys & Hobbies | 296 | 1151 | 20.46% |
| Consumer Electronics | 55 | 215 | 20.37% |
| Cameras & Photo | 90 | 358 | 20.09% |
| Jewelry & Watches | 92 | 417 | 18.07% |
| Collectibles | 393 | 3133 | 11.15% |
| Antiques | 26 | 519 | 4.77% |
| Art | 1 | 62 | 1.59% |
全カテゴリの平均購入率は16.14%(売れた数2152件、売れなかった数11180件)です。
これより高いカテゴリが「相対的に売れやすい」と判断できます。
購入率上位カテゴリの「本当の意味」を読み解く


数字を並べただけでは使えないので、上位カテゴリそれぞれの読み方を整理します。
| カテゴリ | 購入率 | 実践上のポイント | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 切手(Stamps) | 46.96% | 世界的に取引量が多く、日本の使用済み切手やフレーム切手が人気。取引数224件と母数も十分 | 偽物・状態の記載ミスは即クレームになりやすい |
| スポーツ用品 | 34.62% | ミズノやアシックス等、海外でも知名度がある日本ブランドが強い。135件売れており信頼性あり | サイズ表記(日本規格と海外規格の違い)に要注意 |
| Video Games | 29.33% | 日本版ソフト・ハードの希少性が武器。66件と取引数も現実的 | リージョン(地域コード)の確認を怠るとトラブルになる |
| ドール・ベア | 28.39% | 日本のフィギュアやリカちゃんなど固定ファンが多い。109件と母数もある | VeRO(版権保護プログラム)対象品が多いため出品前確認必須 |
| 楽器・音楽機器 | 26.74% | ヤマハ・ローランド等は海外での需要が安定。69件の取引実績あり | 楽器は梱包・輸送リスクが高く、破損時の対応コストが大きい |
ペット用品・コンピューター・ベビー用品は購入率こそ高いですが、取引数が10件未満と少なすぎます。
「Japan」キーワードでは探しにくいニッチ市場か、たまたま売れた数が多かっただけの可能性があるので、そのまま鵜呑みにするのは危険です。
一方、切手・スポーツ・ビデオゲームは取引数と購入率の両方がバランスよく高く、最も信頼度が高いデータと言えます。



VeROって何ですか?ドール系は特に気をつけないといけないんですか?



VeRO(Verified Rights Owner Program)はeBayの知的財産権保護プログラムです。簡単に言うと、版権を持つメーカーや権利者がeBayに申請すると、その商品の出品が強制削除される仕組みです。フィギュアやキャラクターグッズは特に対象になりやすいので、出品前に必ずeBay公式の確認をおすすめします。
こんな声も(実際の取り組みパターン)
同じようにリサーチデータを活用しているセラーさんたちからは、こんな声が聞かれます。
切手は最初バカにしてたんですが、日本の記念切手をまとめてセットにして出品したら想定の2倍の値段がついて驚きました。需要が安定していて、リサーチ通りに売れる感覚があります。
アンティークで購入率が低いのは体感と一致しています。1点ものが多くて写真映えが勝負なんですが、競合も多くてなかなか抜け出せない。ニッチを掘るなら購入率より平均単価を重視するようになりました。
ビデオゲームは購入率が高くて良いんですが、リージョン表記を間違えてクレームになったことがあります。データ通りに売れやすいけど、商品知識は絶対に必要だと実感しました。
※特定個人の発言ではなく、編集部が一般的な傾向をもとに構成した内容です。
テラピークでリサーチするときの注意点チェックリスト


購入率データを見る際に、実践者として特に気をつけてほしいポイントをまとめます。
- 母数を必ず確認する:購入率40%超でも売れた件数が5件以下なら参考程度に留める
- 検索キーワードがデータを左右する:「Japan」限定データは、そのジャンル全体の実態と必ずしも一致しない
- 調査期間を変えて比較する:7日間だけでなく30日・90日で比較すると季節変動が見えてくる
- 平均販売価格も一緒に見る:購入率が高くても平均単価が低すぎると、送料コストで赤字になる場合がある
- ライバル数を同時にチェックする:購入率が高くても出品数がすでに飽和している場合は参入が難しい
購入率はあくまで「入口の指標」であり、仕入れ価格・送料・ライバル数を組み合わせて初めて判断材料になります。



購入率だけ見ればいいわけじゃないんですね。組み合わせが大事なんだ。



個人的には「平均販売価格」を一番先に見るようにしています。購入率が高くてもアイテム単価が300円台だと、SpeedPAKや国際郵便の送料で完全に飛んでしまいます。売れやすさと儲かるかどうかは別の話です。
テラピークを使ったリサーチの基本ステップ


「購入率を調べてみたいけど、テラピークの使い方がわからない」という方向けに、基本的な手順を整理します。
よくある質問
テラピークや購入率リサーチについて、よく聞かれる質問をまとめました。
テラピークは無料で使えますか?
eBayのストア登録(有料プラン)があれば追加費用なく使えます。無料アカウントでは一部機能が制限される場合があるので、eBay公式で最新の提供条件を確認してください。
購入率が高いカテゴリに絞って出品すれば稼げますか?
購入率はあくまで需要の目安です。仕入れ価格・送料・ライバル数・平均販売価格を組み合わせないと収益判断はできません。購入率はリサーチの「入口」として使うのが正しい使い方です。
切手はどんなものが売れやすいですか?
日本の使用済み切手のセットや、特定テーマのフレーム切手(桜・富士山・アニメ等)が海外コレクターに人気です。状態と真贋の確認は特に重要で、説明文に詳細を記載することが購入率アップにつながります。
「Japan」キーワード以外でもリサーチできますか?
もちろんできます。商品名・ブランド名・型番など具体的なキーワードに変えるとより精度の高いデータが取れます。カテゴリ全体の傾向を掴むなら「Japan」のような広いキーワードが便利です。
アンティークやアートは完全に避けた方がいいですか?
購入率は低いですが、希少性の高い1点ものは高単価で売れるケースもあります。ただし初心者が参入するには難易度が高く、目利き力が必要なカテゴリです。慣れてきてから試すのをおすすめします。
まとめ:購入率はリサーチの「地図」として使う


今回の調査で購入率トップだったのは切手(46.96%)、次いでスポーツ用品(34.62%)、ビデオゲーム(29.33%)でした。
ただ、一番伝えたいのは「このカテゴリに出品すれば売れる」ではありません。
購入率という指標を使って、自分がこれから参入するジャンルの需給バランスをざっくり把握してから動く、その習慣が大事だということです。
僕自身がコレクティブルズで失敗したのも、このリサーチを飛ばして「なんとなく売れそう」で動いたからです。
購入率はあくまで地図の1枚。
平均単価・ライバル数・仕入れコストと合わせて読むことで、初めて使えるデータになります。
テラピークは定期的に確認することでトレンドの変化にも気づけます。
一度調べたら終わりではなく、月1回ペースでチェックする習慣をつけると、ジャンル選びの精度がかなり上がると思います。



「購入率が高いカテゴリ一覧」は参考になりますが、大事なのはこれを見て終わりにしないことです。実際に仕入れ候補の商品でテラピークを細かく引いてみると、また違った景色が見えてきます。













