
ナリ
東京を拠点に、スモールビジネスを複数運営しています。サラリーマン時代に副業からビジネスを始め、その後独立。eBay輸出歴10年以上・最高月商1,300万円。
eBay輸出だけでなく、中国輸入・卸販売、自社EC、複数のオウンドメディア運営、リユース店舗の運営、実店舗ビジネスなど、さまざまな事業をゼロから立ち上げてきました。事業売却(M&A)は3回以上経験しています。
ナリブログでは、こうした実際の経験をもとに、eBay輸出・副業・スモールビジネスのリアルな情報を発信しています。
メルカリ・ヤフオク仕入れで稼いでいる人に、知ってほしい話がある

ある日、仕入れ先を探して近所のリサイクルショップに向かっていたeBayセラーの話を聞きました。
「還付で毎月10万円以上戻ってくるから、実質仕入れコストがかなり安くなっている」と、嬉しそうに話してくれました。
でも、その「還付」が、2031年3月をもって完全に消える可能性が高いのです。
今すぐ影響があるわけではありません。
ただ、この制度変更は今から準備しないと確実に手遅れになる類のものです。
僕自身もeBay輸出を10年以上やってきて、消費税還付には何度も助けられてきました。
だからこそ、この問題は他人事として流せないと感じています。
秘書消費税の還付って、正直そんなに大事な話なんでしょうか…?



月商100万円のセラーなら、還付で年間100万円近く変わることもある。大事どころか、ビジネスの生死に関わる話だと思っています。
ひと目でわかる「消費税還付カウントダウン」の全体像


まずは現状と今後のスケジュールを数字で整理しておきます。
年号を見ながら読むと、制度変更までの「残り時間」がよりリアルに感じられると思います。
そもそも「消費税還付」って何で受け取れていたのか
少し仕組みの話をします。
eBay輸出が消費税の還付を受けられる理由は、輸出売上がゼロ税率(免税)だからです。
わかりやすく言うと、こういうことです。
- 国内で商品を仕入れる → 消費税10%を払う
- eBayで海外に売る → 消費税は課税されない(ゼロ税率)
- 払った消費税 > 受け取った消費税 → 差額が還付される
たとえるなら、「出口のない一方通行の高速料金」みたいなイメージです。
払ったのに取り戻せる出口が国内にはなく、その分が返ってくる仕組みです。
問題は、この「払った消費税」として認められるための仕入税額控除(仕入れで払った税金を差し引ける権利)の条件が、年々厳しくなっていることです。
消費税還付の仕組みと申告方法については、こちらの完全攻略ガイドで詳しく解説しています。



「ゼロ税率」って初めて聞きました。免税とは違うんですか?



免税(課税売上1000万円以下で申告しなくていい)とは全く別の話です。ゼロ税率は、消費税を計算した結果が0円になるというもので、課税売上として申告した上で還付を受けられる。ここ、混同している人が本当に多い。
古物商特例・インボイス制度・2031年廃止。3つが絡んで逆風が加速する
この問題の複雑さは、3つの制度変更が同時に進行していることにあります。
| 制度・ルール | 内容 | eBay輸出セラーへの影響 |
|---|---|---|
| 古物商特例(2031年3月廃止予定) | 個人・フリマ仕入れでも仕入税額控除を認める特別措置 | 廃止後はメルカリ・ヤフオク仕入れで消費税控除が不可能に |
| インボイス制度(2023年10月〜) | 適格請求書(インボイス)を発行できる業者からの仕入れのみ控除可 | 個人出品者・免税事業者からの仕入れは控除対象外 |
| 経過措置の段階的縮小 | 2023〜2029年で控除率が80%→50%→0%へ | 毎年じわじわと還付額が減り続ける |
この3つが重なることで、「フリマアプリ・リサイクルショップ仕入れ→eBay輸出」という最も一般的な仕入れルートが、2031年以降は消費税の観点でほぼ無意味になります。
インボイス制度と古物商特例の詳しい関係については、こちらの記事にまとめています。



経過措置が段階的に縮小…ということは、来年再来年も少しずつ損するんですか?



そうです。今すでに「インボイスなし仕入れ」は控除が80%しか認められていません。2026年10月以降は50%になる予定。放置していると毎年ダメージが積み上がります。
メルカリ・ヤフオク仕入れが「今後どんどん苦しくなる」理由


eBayセラーの仕入れ先として圧倒的に多いのが、メルカリとヤフオクです。
ところが、この2つのプラットフォームでの仕入れは、インボイス制度の観点で構造的な弱点を抱えています。
- 出品者のほとんどは個人 → インボイス番号を持っていない
- インボイスなし仕入れ → 仕入税額控除が段階的に認められなくなる
- 古物商特例も2031年に廃止 → 最後の救済措置もなくなる
古物商特例とは何かを簡単に説明すると、「古物商の許可を持っている業者が、個人から中古品を仕入れた場合に限り、インボイスがなくても一定の控除を認める」という特例措置のことです。
リサイクル業界向けに設けられた経過措置ですが、2031年3月をもって終了する方向で制度設計されています。
つまり、古物商特例が生きている今でも、インボイス化されていない仕入れの控除率は年々下がっていく。
2031年以降はその特例すら消える。
メルカリ・ヤフオクを主要仕入れルートにしているセラーにとっては、今が仕入れ構造を見直す最後のチャンスと言っても過言ではありません。



「古物商持ってるから大丈夫」と思っている人が多いですが、古物商特例はあくまで2031年3月までの一時的な救済措置です。油断は禁物。
では、どう仕入れを切り替えればいいのか


結論から言います。
インボイス登録事業者からの仕入れに切り替えるのが、唯一の根本対策です。
具体的な切り替え先としては、以下のような選択肢があります。
| 仕入れ先の種類 | インボイス対応 | ポイント |
|---|---|---|
| 古物商・買取業者(法人) | 対応済みが多い | 量をまとめて仕入れられる。交渉次第で単価を下げやすい |
| リサイクルショップ(インボイス登録店) | 登録済みの店舗を選ぶ | 店頭価格は高めだが、控除が通る安心感がある |
| インボイス登録している個人業者・セラー | 要確認 | ヤフオクでもインボイス番号を提示している出品者は存在する |
| 卸業者・問屋 | 基本的に対応済み | 中古品ではなく新品・デッドストックの仕入れになる場合も |
僕自身は、以前からプロの買取業者との取引を並行して進めていました。
プロの買取業者へのインタビュー記事もあるので、参考にしてみてください。


仕入れ構造の転換を含む、eBay輸出の事業設計全般を学びたい方には、僕がやっているWE BUILDというプログラムで相談を受け付けています。
eBay輸出だけでなく、Web・AIビジネスも含めて副業・スモールビジネスをゼロから学べる内容です。
WE BUILDを見る →「消費税還付ありき」で設計しているビジネスが一番危ない


ここは正直に書きます。
還付を前提にして、薄利の商品でも「還付で黒字になる」という計算で仕入れているセラーは、制度変更後に確実に詰みます。
消費税還付は「ボーナス」ではなく、あくまで仕組みの結果として得られるもの。
還付がなくても利益が出る粗利設計に今から切り替えておくことが必須です。
粗利についての考え方は、eBay輸出で粗利が圧倒的に大事な理由の記事で詳しく書いているので、ぜひ合わせて読んでほしいです。
また、消費税還付と青色申告特別控除のどちらを優先すべきかは年商規模によって変わります。
消費税還付vs青色申告65万控除の年商規模別ロードマップも参考になります。



還付なしでも黒字になる設計って、具体的にどのくらいの粗利率が必要なんですか?



ざっくり言うと、仕入れ値の2〜3倍以上で売れる商品を選ぶことが前提になります。還付込みで辛うじて黒字、という商品は今すぐ切り替えた方がいい。
こんな声も(よくある気づきのパターン)
ナリが実際のコンサル・情報交換の場でよく聞く声をもとに、一般的な傾向として構成した声です。
インボイス制度が始まったとき『まあ古物商特例があるからしばらく大丈夫』と思って放置していました。でも経過措置が段階的に縮小していくと知って、思っていたより深刻だと実感しました。
メルカリで仕入れた商品は控除できないと言われても、そもそもどこにインボイス対応業者がいるのか分からなくて困っています。買取業者との直接取引は敷居が高い印象がありました。
法人化したタイミングで税理士に相談したら『仕入れ先を変えないと2031年以降は還付がほぼゼロになる』と言われました。早めに動いておいてよかったです。
※特定個人の発言ではなく、編集部が一般的な傾向をもとに構成した内容です。
この変化に「向いている人」と「取り残される人」
制度変更は全員に同じダメージを与えるわけではありません。
準備次第で明暗が分かれます。
| 動けている人 | 取り残されやすい人 |
|---|---|
| インボイス対応業者との取引を今から開拓している | 「まだ大丈夫」と思って仕入れ先を変えていない |
| 還付なしでも成立する粗利設計で商品を選んでいる | 還付込みで計算して薄利商品を仕入れ続けている |
| 税理士と連携して申告設計を見直している | 自己流で確定申告していて制度変更を追えていない |
| 有在庫・高粗利商品にシフトしている | フリマアプリ仕入れのみで低粗利を量でカバーしている |
個人的には、「量でカバー型」のセラーが最もリスクが高いと感じています。
薄利多売で還付を足してギリギリ黒字、という構造のビジネスは、制度変更で一気に赤字に転落します。
有在庫・無在庫どちらが有利かについては、こちらの記事で比較しています。



「自分は古物商持ってるし、少額だから関係ない」と思いがちですが、年商が低くても仕入れ方を変えておかないと後々確実に困ります。規模に関わらず今のうちに動いてほしいです。
よくある質問
制度変更に関して、よく聞かれる質問をまとめました。
古物商を持っていれば2031年以降も大丈夫ですか?
残念ながら大丈夫ではありません。古物商特例自体が2031年3月に廃止される方向で、古物商許可を持っていても、インボイスのない仕入れは控除対象外になります。
今のメルカリ・ヤフオク仕入れはすぐにやめた方がいいですか?
今すぐ完全にやめる必要はありませんが、インボイス対応業者との取引を並行して開拓することを強くお勧めします。2026年10月以降は控除率が50%に下がるため、年間の還付額が目に見えて減ります。
課税事業者でない(売上1000万円以下の)セラーには関係ありますか?
消費税の課税事業者として登録していない場合、そもそも還付を受けられないため、今回の制度変更の直接的な影響は受けません。ただし、将来的に課税事業者を目指す場合は早めに仕入れ先を整備しておくと有利です。
インボイス対応の買取業者をどう探せばいいですか?
取引先に「適格請求書発行事業者ですか?」と確認し、T始まりの登録番号を教えてもらえるか確認するのが最初のステップです。地域の古物市場や、卸・買取業者との直接交渉も有効な選択肢です。
法人化すれば問題は解決しますか?
法人化それ自体が解決策にはなりません。インボイス対応業者から仕入れるという行動が必須です。ただし法人化すると税理士と連携しやすくなり、申告設計全体を見直すきっかけになるというメリットはあります。
まとめ:2031年は思っているより早く来る
「2031年なんてまだ先の話」と思いましたか?
でも経過措置の控除率縮小は2026年10月にも次のフェーズ(50%)に入ります。
ダメージは今年も、来年も、じわじわ積み上がっていきます。
今回の話を整理すると、次のようになります。
- 古物商特例は2031年3月に廃止される方向
- インボイスなし仕入れの控除率は段階的に下がり続ける
- メルカリ・ヤフオク仕入れは控除が取りにくくなる一方
- インボイス登録業者・買取業者からの仕入れへの切り替えが必須
- 還付なしでも黒字になる粗利設計が今後の生命線
早く動いた人が得をするのではなく、遅く動いた人が確実に損をする。
これが今回の制度変更の本質だと思っています。
仕入れ先の切り替えは一朝一夕にはできません。
業者探し・交渉・試し仕入れ・申告設計の見直し、全部含めると最低でも半年〜1年はかかります。
「2031年まであと4〜5年ある」ではなく、「準備に1年かかるとしたら、動き出しのリミットは今年か来年」という感覚で考えてほしいです。



正直、eBay輸出で10年やってきた僕でも、消費税還付の仕組みが完全になくなったとしたら商品選定の基準をかなり変えないといけないと思っています。それくらいインパクトのある話です。


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