EU向け販売は続けるべき?規制と利益を米国と比較

EU向け販売は続けるべき?規制と利益を米国と比較
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ナリ

ナリ

監修: ナリ 運営: シグラド合同会社

東京を拠点に、スモールビジネスを複数運営しています。サラリーマン時代に副業からビジネスを始め、その後独立。eBay輸出歴10年以上・最高月商1,300万円。

eBay輸出だけでなく、中国輸入・卸販売、自社EC、複数のオウンドメディア運営、リユース店舗の運営、実店舗ビジネスなど、さまざまな事業をゼロから立ち上げてきました。事業売却(M&A)は3回以上経験しています。

ナリブログでは、こうした実際の経験をもとに、eBay輸出・副業・スモールビジネスのリアルな情報を発信しています。

目次

「EUは規制が多すぎる」は本当に正しいのか

「EUは規制が多すぎる」は本当に正しいのか

コンサルをしていると、ある時期から「EU向けはもうやめた方がいいですか?」という質問が増えてきました。

確かに、EU側の規制強化のニュースは絶えないです。

でも正直に言うと、「だからEUを捨てて米国一本に絞った」という選択が正解かどうか、僕はずっと疑問に思っていました。

気になったので改めて整理してみたら、「規制の複雑さ」と「利益の出しやすさ」が実は別の話だということが見えてきました。

今回はその話をします。

秘書

EUって規制がやばいって聞くんですが、それでも続けてる人いるんですか?

ナリ

続けてる人はいます。ただ「続けられる商材かどうか」が問題で、一律に「EU=NG」と判断するのは早計だと思っています。

EUと米国、eBay輸出での立ち位置をひと目で整理する

EUと米国、eBay輸出での立ち位置をひと目で整理する

まず両市場の基本的な違いを比較カードで確認してください。

細かい話はこの後に続けます。

秘書

米国向けの方が楽そうに見えるんですが、そうじゃないんですか?

ナリ

市場規模の大きさは確かに米国の強みです。ただ「楽かどうか」は商材によって全然違うので、そこは分けて考えてほしいです。

「EU規制が複雑」の中身を正直に整理する

「EU規制が複雑」の中身を正直に整理する

EU向けで実際に面倒なのは何か、具体的に整理します。

→ 横にスクロールして続きを見られます
規制・制度内容対応の難易度
VAT・OSS登録EU域内で年間1万ユーロ超の売上がある場合、OSS(One Stop Shop)への登録が必要。未対応だと販売停止リスクあり★★★(税理士への相談推奨)
CEマーキング電子機器・おもちゃ・電気製品など多くのカテゴリで、EUの安全基準適合マークが必要。日本の古着・ホビー系は対象外が多い★★(商材による)
関税・輸入消費税150ユーロ超は輸入関税がかかる。ただし負担は購入者側★(購入者対応で可)
梱包材規制(EPR)ドイツ・フランスなどで梱包廃棄物に関する登録制度あり。大口セラーほど影響大★★(副業規模なら軽微)

難易度が高く見えますが、副業・個人セラー規模であれば実際に影響が大きいのはVATとCEマーキングの2点だけというのが現実です。

商材が古着・アニメグッズ・ホビー系なら、CEマーキングはほぼ関係ありません。

ナリ

「EU=全部面倒」というイメージが独り歩きしている気がします。実際に対応が必要な規制は商材ごとに全然違うので、一度自分の取扱商品と照らし合わせてほしいです。

米国向けも「楽な市場」ではなくなってきた

一方、米国向けが「安全な選択肢」かというと、今はそうでもないです。

  • デミニミス廃止:800ドル以下の小額輸出が全て関税対象に。価格帯の調整が必要になったセラーが多い
  • CPSC e-filing義務化:子ども向け商品・電子機器などは事前申告が必須。対応できていないセラーは通関でストップするリスクあり
  • 日本人セラーの過密化:人気ジャンルは同じ商品を複数のセラーが出品し、価格競争が激しくなっている
  • 関税による購入者離れ:特にゲーム・フィギュア系で「関税が高くなったから海外から買わなくなった」という声が購入者側から出ている

「米国一本化=安全」という発想は、今の環境では少し古いと思っています。

米国向けの規制については、CPSC規制が日本人セラーに与える影響についてこちらの記事で詳しく解説しています

また、米国関税が利益にどう影響するかは、具体的な計算例と合わせてまとめた記事があるので参考にしてください

秘書

米国向けも規制が増えているとは知りませんでした…

ナリ

正直、米国もEUも「規制が増えていない市場」はもう存在しないと思っています。だからこそ「どちらが楽か」ではなく「どちらが自分の商材に合っているか」で判断してほしいです。

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「EUは割に合わない」は本当か?ナリの本音

「EUは割に合わない」は本当か?ナリの本音

ここが今回一番伝えたいことです。

ナリ

これは僕自身がコンサルをしていて強く感じることです。EU向けを面倒だからと辞めたセラーが増えた商材ほど、残ったセラーの単価と販売数が上がる傾向があります。

商材別・EU向けを続けるべきかの判断軸

結局のところ「EUを続けるか」は商材ジャンルで判断するのが一番シンプルです。

→ 横にスクロールして続きを見られます
商材ジャンルEU向け継続の判断理由
古着・ヴィンテージ衣類◎ 続けるべきCEマーキング不要・欧州バイヤーの需要が高い・米国より競合が少ない
アニメ・ホビーグッズ○ 商品次第で続けてよい電池や電子部品がなければ規制対象外が多い。ドイツ・フランス向けに強い商材あり
電子機器・ガジェット△ 慎重に判断CEマーキングが必要なケースが多く、対応コストが上がりやすい
おもちゃ・子ども向け✕ 基本的には避けた方が無難EU・米国ともに安全規制が厳しく、小規模セラーには対応コストが重い
スポーツ・アウトドア用品○ 商品次第ブランド品・日本製の認知が高く、高単価で売れるケースあり

個人的には、古着・ヴィンテージジャンルでEUを切り捨てるのは明らかに損だと思っています。

欧州バイヤーはヴィンテージ日本製品への需要が根強く、米国よりも高値がつくケースすら珍しくないです。

なお、HSコードの分類が商材ジャンルの判断にも直結します。

HSコードを間違えると通関でトラブルになるリスクがあるため、正しい調べ方をまとめた記事も合わせて読んでみてください

秘書

古着はEUの方が高く売れることもあるんですか、それは意外でした

ナリ

欧州はヴィンテージ・古着文化が根付いているので、日本製の80〜90年代古着は特に人気があります。米国向けと比較してみると、ドイツ・フランスのバイヤーが落札した価格の方が高かった、という経験をしているコンサル生も複数います。

送料と利益率、EUと米国で実際にどれだけ違うか

送料と利益率、EUと米国で実際にどれだけ違うか

送料面での違いも整理しておきます。

  • EMS・eパケットのEU向け送料:米国向けと比べて平均1.2〜1.8倍程度高いことが多い。小型・軽量商品はそれほど差がないが、重量が増えるほど差が開く
  • 到着日数:西欧主要国(ドイツ・フランス・イギリス等)は概ね1〜2週間。東欧は2〜3週間程度かかるケースも
  • 通関トラブル率:国によって差があり、イタリア・スペインは通関での遅延が起きやすいと言われています
  • 紛失・破損補償:EMSであれば補償付き。SpeedPAKのEU対応状況は送り先国によって異なるため事前確認が必要

送料コストが高い分、EU向けは商品の単価設定を米国向けより高めにするのが基本戦略です。

送料が上乗せされても「日本から買う」バイヤーには根強い需要があるので、安売りする必要はないケースが多いです。

こんなセラーはEU向けを続けた方がいい・やめた方がいい

判断に迷っている人向けに、シンプルにまとめます。

→ 横にスクロールして続きを見られます
続けた方がいいセラーやめた方がいいセラー
古着・ホビー・アニメグッズを扱っている電子機器・おもちゃが主力商材
米国向けで競合過多を感じている通関・規制対応に時間を割けない
高単価・低回転型の販売スタイル薄利多売で回転数重視のスタイル
リスク分散でマルチ市場展開したいまだeBay自体が軌道に乗っていない
eBaymagなど多国展開ツールを活用できる1カ国向けに特化して深掘りしたい初期段階

特に「米国向けで価格競争に巻き込まれている」と感じているセラーにとって、EUは意外な活路になる可能性が高いです。

eBay輸出のマルチ市場展開に興味があれば、まず自分の主力商材がEU規制の対象かどうかを確認するところから始めてみてください。

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EU向けセラーのリアルな声(よくあるパターン)

ナリが一般的な傾向をもとに構成した声です。

実際のコンサル事例を一般化しています。

🧑‍💼
30代・ホビー系セラー

米国向けが関税の影響で売れ行きが鈍ったタイミングでEUに試しに出してみたら、ドイツのバイヤーがすぐに落札してくれました。送料が高い分、価格を上げても売れたので粗利率は米国向けより良かったです。

👩
40代・古着メイン

EUは面倒そうで避けていたんですが、よく調べたら自分の扱っている古着はCEマーキングもVAT登録(売上が少ないうち)も対象外でした。もっと早くから出しておけばよかったと正直後悔しています。

👨‍🦱
30代・電子機器系セラー

ガジェット系をEUに出していたら、CEマーキングがないとのクレームが来てトラブルになりました。商材によっては本当に規制対応が必要で、知らずに出すのはリスクが高いと痛感しました。

※特定個人の発言ではなく、編集部が一般的な傾向をもとに構成した内容です。

よくある質問

EU向け販売についてよく聞かれる質問をまとめました。

Q

VAT登録しないとEUには出品できませんか?

A

副業・小規模セラーであれば、EU域内での年間売上が1万ユーロ未満の場合はOSS登録が不要なケースがほとんどです。ただし売上が増えてきたら税理士への相談をおすすめします。

Q

イギリスはEU規制の対象に含まれますか?

A

Brexit後、イギリスはEUから離脱しています。UK向けはGBP建てで別途対応が必要で、英国独自のUKCA規制なども存在します。EUとは別市場として整理してください。

Q

EUと米国、両方同時に対応するのは難しいですか?

A

eBayの送料ポリシーで国際配送先を広げるだけで同時展開は可能です。管理の手間はそれほど変わりませんが、商材ごとの規制確認だけは事前にしっかりやっておくことが大切です。

Q

EU向けで稼ぎやすいジャンルは何ですか?

A

古着・ヴィンテージ衣類、日本製ホビーグッズ、スポーツ用品などが比較的稼ぎやすいと言われています。CEマーキングが不要で、欧州バイヤーの需要が高い商材を優先的に探すのがコツです。

まとめ:「どちらが正解」ではなく「自分の商材でどちらが合うか」

まとめ:「どちらが正解」ではなく「自分の商材でどちらが合うか」

EU向けを切り捨てるか続けるかは、「規制が多い・少ない」だけで判断するのは雑すぎます。

整理すると、こういうことです。

  • 古着・ホビー系なら、EUは今すぐ試す価値がある
  • 電子機器系なら、規制対応コストを見てから判断
  • 米国一本化は、競合過多と関税リスクを両方抱えることになる
  • EU向けは「面倒で撤退した競合」が増えた今こそ、残ったセラーにチャンスがある

個人的には、完全にどちらか一方に絞るより、商材ごとに市場を使い分けるのが今の環境では一番現実的な戦略だと思っています。

規制の波は米国もEUも続いています。

どちらかが「安全地帯」になることは、今後もないと思った方がいいです。

だからこそ、規制・関税ラッシュを逆にチャンスに変える考え方について書いた記事も読んでみてください。

どの市場でも「残れるセラー」の視点が参考になると思います。

ナリ

7年以上コンサルをしてきて感じるのは、「面倒だから」という理由で撤退した人の後釜に入ったセラーが結果的に伸びているケースが多いということです。EUもその典型だと思っています。

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ナリ
ナリブログ管理人
東京を拠点に、スモールビジネスを複数運営しています。

これまでに、eBay輸出、中国輸入・卸販売、自社EC、オウンドメディア運営、リユース店舗の運営、事業売却(M&A)など、さまざまな事業に取り組んできました。

一つの事業だけに依存するのではなく、複数の収益の柱を育てることを大切にしています。

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