
ナリ
東京を拠点に、スモールビジネスを複数運営しています。サラリーマン時代に副業からビジネスを始め、その後独立。eBay輸出歴10年以上・最高月商1,300万円。
eBay輸出だけでなく、中国輸入・卸販売、自社EC、複数のオウンドメディア運営、リユース店舗の運営、実店舗ビジネスなど、さまざまな事業をゼロから立ち上げてきました。事業売却(M&A)は3回以上経験しています。
ナリブログでは、こうした実際の経験をもとに、eBay輸出・副業・スモールビジネスのリアルな情報を発信しています。
「HSコードって何でもいいんじゃないの?」と思っていたら大間違いだった話

ある日、コンサルで見ていたクライアントのアカウントから「荷物が通関で止まっています」という連絡が来ました。
原因を調べてみたら、インボイスに記載していたHSコードが品物の実態と全然違うカテゴリーのものだった、というケースです。
「どうせ向こうが適当に処理してくれるでしょ」と思っていた方も多いかもしれません。
でも実際にはそうじゃない。
HSコードは国際貿易の共通言語であり、間違えると関税率が変わる・通関が止まる・最悪ペナルティが発生するという、かなり実害の大きいミスにつながります。
この記事では、eBay輸出をやっている人が「なんとなく」で済ませがちなHSコードについて、間違えたときの具体的なリスクと、正しい調べ方をまとめます。
秘書え、HSコードって適当に入力してても大丈夫じゃないんですか…?



正直、「まあバレないだろう」と思っている人がかなり多いんですよね。でも輸入国の税関はHSコードを元に関税率を計算するので、間違いはダイレクトに金額に影響します。甘く見ないほうがいいです。
そもそもHSコードって何?5秒でわかる基本


HSコード(Harmonized System Code)は、世界税関機構(WCO)が定めた国際共通の商品分類コードです。
6桁の数字で構成されていて、どの国に輸出・輸入しても、この6桁は共通で使われます。
たとえば「9102.11」はクォーツ式の腕時計、「9504.50」はビデオゲームコンソール、というように、商品のジャンルを細かく分類しています。
日本の輸出申告書・インボイス・パッキングリストに記載が必要で、輸入国の税関はこのコードを元に関税率や規制の有無を判断します。
eBay輸出でいえば、EMS・eパケット・FedExなどで国際発送する際に、インボイスへの記載が求められるケースがほとんどです。
「書かなくてもいい」という認識でいると、あとで痛い目を見ます。



6桁の数字って、商品ごとに全部違うんですか?



膨大な種類があります。6桁が国際共通で、その後に各国が独自の桁を追加するケースも多いです(日本はHSコードをベースにした9桁のHTSコードを使っています)。
間違えると本当にどうなるのか。実務で起きる4つのリスク


HSコードのミスが実際にどんな問題を引き起こすのか、整理してみました。
| リスク | 具体的な内容 |
|---|---|
| 関税率が変わる | 正しいコードより高い関税率のカテゴリーに分類されると、バイヤーが予想外の関税を請求される。逆に低いコードを意図的に使うと申告違反になる |
| 通関で荷物が止まる | 税関がコードと現物の不一致を検知すると、通関保留・差し戻しが発生。配送遅延でバイヤーからクレームが来るリスクが高まる |
| 輸出入規制に引っかかる | 誤ったコードで「規制対象外」として申告してしまい、実際は輸入規制品だった場合、没収・返送・罰則の対象になる可能性がある |
| インボイス不備として扱われる | フォーマル通関が必要な高額商品では、HSコードの記載ミスがインボイス全体の不備と見なされ、再提出を求められることがある |
関税率が変わるというリスクは、特にアメリカ向けで深刻です。
トランプ政権以降の関税引き上げ環境では、HSコード次第で関税率が大きく変動するケースがあります。
米国関税でeBay輸出の利益がどう変わるかについては、計算例つきでこちらの記事で詳しくまとめていますので、あわせて読んでみてください。



通関で止まったら、バイヤーにどう説明すればいいんでしょう…



正直これが一番きつい。配送遅延になった時点でケースを開けてくるバイヤーも多くて、そのままネガティブフィードバックに直結します。HSコードのミスが原因の遅延は、完全にセラー側の過失なので言い訳が効かないんです。
HSコードの正しい調べ方。実務で使える3ステップ


「じゃあどうやって調べればいいの?」という話です。
実際に手を動かしながら確認できる方法を順番にまとめます。



税関に事前照会って、個人セラーでもできるんですか?



できます。ただ時間がかかるので(数週間単位)、新カテゴリに参入するときや高額商品を扱うときに使うイメージです。毎回の発送で使うものではないですね。
eBay輸出でよく出る商品カテゴリのHSコード、どこで迷うか


実際にコンサルで見ていると、特定のカテゴリでHSコードの迷いが集中しています。
僕が気になったので整理してみたら、以下のようなパターンが多かったです。
| 商品カテゴリ | 迷いやすいポイント |
|---|---|
| ゲームソフト・ゲームカード | メディア(記録媒体)として分類するのか、ゲーム機器の付属品として分類するのかで異なる場合がある |
| フィギュア・コレクターズアイテム | 「玩具」か「コレクター用品・美術品」かで関税率が変わることがある。特にヴィンテージ品は要確認 |
| 時計・腕時計部品 | 完成品か部品かで分類が分かれる。ムーブメント単体、ケース単体は別コード |
| 電子部品・基板 | 「完成した電子機器」か「部品」かで大きく分類が異なる。ジャンク品の扱いも注意が必要 |
| 衣類・古着 | 素材(綿・ポリエステル等)・性別・用途によってコードが細かく分かれる。まとめて1コードにしがちだが厳密には違う |
特にフィギュアやコレクターズアイテムは、eBay輸出のCPSC規制とも絡んでくる話なので、HSコードと一緒に規制の有無も確認しておくのが安全です。



古着は本当に細かくて、綿100%のシャツとポリエステル混のシャツでコードが違います。「衣類だからまとめていい」という認識でやってきた人は一度見直したほうがいいと思います。
「間違えてた!」と気づいたときにやること


すでに発送済みの荷物のHSコードが間違っていた場合、どうすればいいのか。
これも調べてみると、いくつかの対応策があることがわかりました。
- 未発送の場合:インボイスを作り直して正しいコードを記載する。ここが一番リカバリーが簡単
- 発送済み・通関前の場合:配送会社(FedEx・DHLなど)に連絡して修正手続きが可能なケースがある。ただし時間に余裕がないと間に合わない
- 通関済みの場合:基本的にセラー側でできることは限られる。バイヤーが追加関税を請求されたケースでは、誠実に対応してケースを避けるのが現実的な選択肢
誤申告が繰り返しあったと判断されると、輸出者として税関のマーク対象になるリスクもゼロではありません。
「1回くらいなら」の積み重ねが後で響く、というのが僕の率直な感想です。
よくある質問&回答を設定する方法(関税対策例文付き)では、バイヤーへの関税説明の例文も紹介しています。
通関トラブルが起きたときのコミュニケーションにも使えるので参考にしてみてください。



通関済みで追加関税が発生したら、セラーが負担するべきなんでしょうか…



eBayのポリシー上はバイヤー負担が基本ですが、セラーのミスが原因なら返金対応を求められることもあります。ケースによりますが、正直に謝って一部対応するほうが評価的には傷が浅いことが多いです。
HSコード調べ方のよくある質問
実際によく聞かれる質問をまとめました。
HSコードは6桁で入力すればいいですか?
日本の輸出申告では9桁(統計品目番号)が基本です。インボイスへの記載は6桁でも通ることが多いですが、輸入国によって求める桁数が異なるため、発送先の基準を確認するのが安全です。
同じ商品でも輸入国によってHSコードが違うことはありますか?
国際共通の6桁部分は同じですが、その後に各国独自の桁を追加するため、最終的なコード体系は国ごとに異なります。米国向けはHTS(10桁)、EU向けはCN(8桁)など、発送先ごとに確認が必要です。
eBayの出品ページにHSコードを入力する欄がありますが、これは必須ですか?
eBayの出品フォームにあるHSコード欄は任意入力のケースが多いですが、入力しておくと通関手続きがスムーズになります。特に高額商品・規制対象商品は正確に入れておくことを強くおすすめします。
HSコードが間違っていても届いた場合、問題ないですか?
運良く届いた場合でも、申告内容の誤りは残ります。繰り返すと輸出者としてマークされるリスクがあるため、気づいた段階で修正習慣をつけておくのが賢明です。
まとめ:「なんとなく」が一番怖い。HSコードは調べてから発送が鉄則
HSコードの話は地味に見えて、実際には利益・通関・バイヤー満足度の三つ全てに直結する話です。
特にアメリカ向けの関税環境が複雑になっている今、HSコードのミスは即座に利益計算を狂わせます。
個人的には、「よくわからないから適当なコードを入れている」という状態が一番リスクが高いと思っています。
完璧に覚える必要はないですが、カテゴリ別に一度ちゃんと調べて記録しておくという習慣が、長く稼ぐセラーになるための地味だけど大切な一歩です。
税関の実行関税率表は無料で使えます。
迷ったときは必ずそこに戻るのを習慣にしてください。
関連して、eBay輸出で「粗利」が圧倒的に大事な理由を解説したこちらの記事も合わせて読むと、HSコードが利益に与える影響がより具体的にイメージしやすくなると思います。



「eBay輸出は商品を探すことだけ」と思っていると、こういう実務的な穴にハマります。HSコードは一度整理してしまえばあとは楽になるので、週末に30分だけ時間を取って自分の取り扱いカテゴリを確認してみるのがおすすめです。













