
ナリ
東京を拠点に、スモールビジネスを複数運営しています。サラリーマン時代に副業からビジネスを始め、その後独立。eBay輸出歴10年以上・最高月商1,300万円。
eBay輸出だけでなく、中国輸入・卸販売、自社EC、複数のオウンドメディア運営、リユース店舗の運営、実店舗ビジネスなど、さまざまな事業をゼロから立ち上げてきました。事業売却(M&A)は3回以上経験しています。
ナリブログでは、こうした実際の経験をもとに、eBay輸出・副業・スモールビジネスのリアルな情報を発信しています。
「日本から送れば関税は低い」は半分しか正しくない

eBay輸出をしているセラーから、よくこんな声を聞きます。
「日本から発送してるし、関税は低いと思ってた」と。
実は関税率を決めるのは「発送元の国」ではなく「原産国(COO: Country of Origin)」です。
日本から発送していても、商品が中国製なら中国製品向けの関税率が適用されます。
これ、意外と見落としているセラーが多いんです。
特に2025年以降、DDP(関税セラー元払い)が義務化されたことで、この原産国の違いが利益に直結するようになりました。
今回はこのテーマを整理してみます。
秘書発送元の国と原産国って、そもそも違うんですか?



そうなんです。「日本から発送=日本製」と思い込んでいるセラーは正直多い。出品画面のItem Origin欄、ちゃんと埋めていますか?というところから確認してほしいです。
日本製 vs 中国製、関税率の差をひと目で確認


執筆時点(2026年8月)での状況を整理すると、日本製と中国製では関税率に大きな差があります。
ただし関税は現在も変動・係争中の制度ですので、最新の数字は必ずeBay Japan公式(https://www.ebay.co.jp/)
)やCBP(米国税関)で確認してください。



この差は正直インパクト大きいです。日本製なら12.5%前後、中国製なら30%前後という目安感は、仕入れの判断基準に直接関わります。
数字で見ると、関税の差がいかに大きいか分かる


日本製・中国製それぞれに対して米国セラーが実質負担する関税率の目安を並べると、その差がはっきりします。
以下はあくまで執筆時点の参考値です。
実際の適用税率はCBPの査定が最終基準となります。
また、eBay Japan公式はCOO(原産国)ごとの推定関税率をExcelファイルで提供しています。
関税が利益計算にどう影響するかは、こちらの記事でシミュレーション例を紹介していますので、あわせて参考にしてみてください。



中国製が約30%というのは、日本製の倍以上ですね…これは仕入れを考え直す必要がありそうです。
「発送国」と「原産国」を混同すると起きること


ここが今回の記事で一番伝えたいポイントです。
eBayの出品画面には「Item Origin(原産国)」という入力欄があります。
ここに入力した情報が、バイヤーへの関税見積もりと、DDPによる関税計算の基準になります。
原産国の入力を間違えると、実際の関税額と表示額がズレ、セラーが差額を負担するリスクが生じます。
よくある落とし穴をまとめました。
| よくある誤り | 何が起きるか |
|---|---|
| 「日本から発送するから日本」と入力 | 中国製商品なのに日本製の税率で計算され、不足分をセラーが負担 |
| Item Origin欄を空白のままにする | eBayが自動で国を推定する可能性があり、意図しない税率が適用される |
| 「どこ製か分からない」でJapan入力 | CBPがラベルや申告書で中国製と判断した場合、通関でトラブルになることも |
特に古物・中古品を仕入れている方は、パッケージが日本語でも製造国が中国というケースが多いです。
裏面の「MADE IN ○○」表示を確認する習慣をつけておくといいと思います。



「日本から送れば日本製扱い」という誤解は本当によく見ます。コンサルでも何度も同じ指摘をしてきました。まず自分の在庫の原産国を全部洗い出すことをおすすめします。
中国製品には「発送不可」「免税なし」という壁がある


中国製品については、関税率の高さだけでなく、もう2つの制約があります。
1つ目はデミニミス免税の廃止です。
2025年5月2日以降、原産国が中国本土または香港の商品は、800ドル以下の少額品でも関税が免除されなくなりました。
日本から発送していても同じです。
2つ目はSpeedPAK Economyでの発送不可という制限です。
eBay Japan公式ページでも明記されており、中国製品は最も手軽な発送方法が使えません。
さらに2025年8月29日からは、全世界向けにデミニミスが廃止されています。
これにより、どの国の商品であれ800ドル以下の小口輸入品にも関税がかかるようになりました。
デミニミス廃止の詳細と対応策については、こちらの記事で解説しています。



SpeedPAK Economyが使えないとなると、送料コストも上がりますよね?



そうです。送料が上がる分、価格競争力が落ちる。中国製商品を日本から売るのはコスト面でかなり不利になっています。それが正直な現状です。
2026年7月の新関税発動と「係争中」という現実
2026年7月24日(米国東部時間)、通商法301条に基づく新たな追加関税が、日本・韓国・スイスを含む60カ国・地域に対して発動されました。
日本製品については、MFN税率とSection 301関税の合計が原則12.5%になる「合計調整方式」が適用されています。
ただし、この関税はすでに訴訟に発展しています。
発動翌日の7月25日、米国内の2社(ニューヨークのスパイス業者とカリフォルニアの時計販売業者)が通商法301条に基づく関税は違憲として米国際貿易裁判所(CIT)に提訴しました。
現在も係争中です。
つまり現時点では「12.5%が確定した恒久ルール」とは言えない状況です。
今後、判決や政治的交渉によって税率が変わる可能性を念頭に置いておく必要があります。
日米関税の合意内容と今後の展望については、こちらの記事でまとめていますので、関税の全体像を把握したい方はあわせてご覧ください。



係争中ということは、税率がまた変わるかもしれないということですよね?



はい。「今は12.5%」という前提で価格設定してOKですが、半年後にまた変わる可能性も十分あります。eBay Japan公式(ebay.co.jp/tariffs)を定期的に確認する習慣は持っておいてください。
DDP義務化後の価格設計、原産国別にどう考えるか


2025年10月17日から、米国向け2,500ドル未満の取引はDDP(関税セラー元払い)が義務化されています。
つまり関税はセラーが立て替えて、その分を商品価格や送料に乗せて回収するのが基本的な考え方です。
実際のセラー間では「送料に関税分を上乗せする」価格戦略をとる人が多いようです。
関税は商品申告価格(商品価格)に課税され、送料部分は非課税のため、この方法で関税コストを回収しやすくなります。
eBay JapanはCOOに基づく推定関税率をExcelで提供しています( 実際のセラーブログ等では、日本製は約15%、中国製は約63%程度という参考例が紹介されているようです。
ただしこれはあくまで参考値で、” target=”_blank” rel=”noopener nofollow”>ebay.co.jp/ddp-info)。
実際のセラーブログ等では、日本製は約15%、中国製は約63%程度という参考例が紹介されているようです。
ただしこれはあくまで参考値で、実際の適用税率はCBPの査定が最終基準になります。
数字として見るとその差は歴然です。
正しい調べ方はこちらの記事で解説しています。



日本製15%、中国製63%の差って…仕入れの段階で原産国を意識しないと計算が全然合わなくなりますね。



個人的にはこの数字の差を見てから、仕入れ先を意識するセラーがかなり増えたと感じています。「日本製」「made in Japan」ラベルが実際の競争力になる時代になってきました。
原産国管理で今すぐやるべき3つのこと


状況を整理したうえで、実務的に何をすべきかをまとめます。
よくある質問
原産国まわりでよく聞かれる疑問をまとめました。
日本で加工・修理した中国製品は日本製になりますか?
基本的にはなりません。原産国は「実質的な変更が加えられた最後の国」が基準です。単なる検品・梱包・転売では原産国は変わりません。製造工程の大幅な変更がある場合のみ変わる可能性がありますが、判断はCBPに委ねられます。
Item Origin欄を空白にしたままでも出品できますか?
出品自体は可能な場合もありますが、空白だとeBayが自動で国を推定するリスクがあります。DDPの関税計算が意図しない税率で行われる可能性があるため、必ず正確な原産国を入力することを強くおすすめします。
中国製品は今後eBay輸出で売れなくなりますか?
SpeedPAK Economyの利用制限やデミニミス廃止など制約は増えていますが、完全に売れなくなるわけではありません。ただし関税コストが上がる分、価格設定の見直しと原産国の正確な入力が必須です。競争力を維持するには品目の選定が重要になります。
関税の係争が解決したら税率は下がりますか?
訴訟の結果次第ですが、現時点では何も確定していません。定期的にeBay Japan公式(ebay.co.jp/tariffs)を確認し、制度変更があれば都度対応する体制を作っておくことをおすすめします。
まとめ:「どこで作られたか」が今や最重要の仕入れ基準
この記事を通じて一番伝えたかったのは、「日本から発送すれば関税は安い」という思い込みを手放してほしい、ということです。
関税率を左右するのはあくまで原産国(COO)。
日本製なら執筆時点で約12.5%前後(参考値)、中国製なら約30〜63%(参考値)という大きな差があります。
この差はDDP義務化によって、そのままセラーの利益に跳ね返ってきます。
個人的には、今後は「made in Japan」というラベルが実際の価格競争力になっていくと思っています。
日本製・日本製造を打ち出せる商品は、関税コスト面でも明確なアドバンテージを持つ時代になりました。
ただし現在の税率は訴訟・係争中であり、今後変わる可能性があります。
eBay Japan公式(https://www.ebay.co.jp/)
を定期的に確認し、最新情報に合わせて対応していきましょう。
関税・規制の波をむしろビジネスチャンスに変える考え方については、こちらの記事も参考にしてみてください。



ここ最近でeBay輸出を取り巻くルール変更の中でも、原産国の管理は特に重要度が上がっています。仕入れ前に原産国を確認する習慣、ぜひつけてほしいです。













