
ナリ
東京を拠点に、スモールビジネスを複数運営しています。サラリーマン時代に副業からビジネスを始め、その後独立。eBay輸出歴10年以上・最高月商1,300万円。
eBay輸出だけでなく、中国輸入・卸販売、自社EC、複数のオウンドメディア運営、リユース店舗の運営、実店舗ビジネスなど、さまざまな事業をゼロから立ち上げてきました。事業売却(M&A)は3回以上経験しています。
ナリブログでは、こうした実際の経験をもとに、eBay輸出・副業・スモールビジネスのリアルな情報を発信しています。
「高額商品で大きく稼いだ」その後の話

SNSやnoteでよく見かける話があります。
「eBayで5万円の商品が即日売れた」「高額カメラを転売して1件で10万円の利益」といった投稿です。
読んでいると「自分もできそう」と思えてくる。
でも、その発信者が半年後・1年後にどうなっているかは、ほとんど書かれていません。
実際に僕がeBayコミュニティや読者からのDMで把握している範囲でいうと、高額商品で大きく稼いだと発信していたセラーの多くは、その後静かに消えています。
アカウントが止まったり、詐欺被害で損失を出したり、理由はさまざまですが、再現性がなかったというケースが圧倒的に多いです。
高額商品のリスクは「失敗したときのダメージが大きい」という一点に尽きます。
1件の空箱返品詐欺やチャージバック(クレジットカード会社を通じた強制返金請求)で、数万〜数十万円の損失が一瞬で確定することもあります。
これは薄利多売の小物転売とは次元が違うリスクです。
この記事では、高額商品販売で実際に起きている詐欺の手口と、被害を最小限に抑えるための対策を具体的にまとめています。
すでにeBayで高額商品を扱っている人、これから扱おうとしている人に、ぜひ読んでいただきたい内容です。
秘書高額商品って儲かるイメージがあったんですが、そんなに消えていくんですか…?



「消えていく」という表現は少し厳しいかもしれませんが、実際にコミュニティで見ていると、高額品メインで発信していたセラーが半年後に音沙汰なくなるケースは本当に多いです。再現性の低さが原因だと思っています。
まず知っておくべき「初心者が高額商品を避けるべき理由」
これは僕の個人的な意見ですが、eBayを始めて間もないセラーが高額商品に手を出すのは、リスクとリターンのバランスが悪すぎます。
理由を整理すると、以下の通りです。
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| リスク要因 | 高額商品の場合 | 小物・中価格帯の場合 |
|---|---|---|
| 返品詐欺の損失額 | 数万〜数十万円の即時確定 | 数千円程度で済む |
| チャージバックの影響 | 1件で大きなダメージ | 1件では致命傷にならない |
| 関税トラブルの発生率 | 関税額も大きく買い手が拒否しやすい | 関税が小さく揉めにくい |
| 詐欺師のターゲット度 | 高い(狙われやすい) | 相対的に低い |
| アカウント停止リスク | 1件のトラブルでサスペンドの可能性 | 複数件で段階的に評価低下 |
特に現在は、米国・欧州ともに関税や輸入規制が厳しくなっています。
高額商品は関税額も大きくなるため、バイヤーが受け取りを拒否するトラブルに発展しやすいです。
「失っても許容できない金額の商品は売らない」。
これが僕の基本スタンスです。



サスペンドされると翌月の支払いが残るって、それだけで怖いですね…



高額品を薄利で販売しているセラーほど、サスペンドになったときのダメージが大きいです。翌月・翌々月の在庫仕入れ資金や支払いが残っていると本当に身動きが取れなくなります。
ひと目でわかる「高額商品リスク」の数字


高額商品販売における主なリスクの目安を数字で整理しました。
eBayコミュニティの報告や読者からの声をもとにした参考値です。



810件以上って、これ氷山の一角ですよね…報告していない人もいるはずだし。
実際に起きているeBay詐欺の手口4パターン


eBayで実際に報告されている詐欺の手口を、主なパターンに絞って解説します。
「まさかそんな手口が」と思えるものもありますが、これが現実です。
① 空箱返品詐欺
バイヤーが商品を受け取った後、「不具合がある」「説明と違う」などを理由に返品リクエストを送ってきます。
こちらが承認すると、届くのは空箱や全く別の商品です。
eBayでケースをエスカレーション(=eBayに仲裁を求めること。
お店でいえば「店長を呼んでください」に近いイメージ)しても、証拠がなければセラーに不利な判定が出やすい構造になっています。
② eBay外でのやり取り要求
出品価格より高いオファーを仕掛けてくるバイヤーがいます。
たとえば100ドルの商品に120ドルのオファー。
普通は出品価格以上でわざわざ買う必要はありません。
これは詐欺のフラグです。
その後「先に発送してほしい」「もう支払いは済んでいる」とメールや外部連絡先でやり取りを誘導し、実際には入金がないまま商品を発送させます。
評価の少ない新規セラーほど、この手口に引っかかりやすいです。
③ チャージバック詐欺
チャージバックとは、クレジットカード会社を通じた強制返金請求のことです。
銀行の「引き落とし取り消し手続き」に近いイメージですが、eBayのケースよりも権限が強く、eBay側で一度ケースが取り下げられた後でも、バイヤーがカード会社経由で申請すると覆ることがあります。
eBay < クレジットカード会社、という力関係なので、eBayも手が出ません。
これが一番怖いパターンです。
④ 登録住所以外への発送を要求
「家族へのプレゼント」「入院中なので別の住所に」などの理由で、eBayの登録住所以外への発送を依頼してくるパターンです。
登録住所外に発送すると、eBayによる出品者保護が受けられなくなります。
悪質なバイヤーはこれを意図的に狙っています。
理由がいかに自然に聞こえても、登録住所以外への発送は原則NOです。



チャージバックの怖いところは「一度解決した後でも蒸し返される」点です。eBayのケースがクローズされてホッとした直後に、カード会社経由でひっくり返されることが実際にあります。油断禁物です。
こんな声も(実際に被害にあったセラーたちの話)
読者や海外コミュニティから寄せられた声をもとに構成した声です。
どれも実際に起こりうるパターンです。
🧑💼 30代・eBay歴2年のセラー
カメラを50,000円で売ったら、返品で届いたのは同型の壊れたボディでした。
シリアル番号を控えていなかったので証拠にならず、全額返金になりました。
梱包動画と番号記録、絶対にやるべきでした。
👩 40代・家電せどりを掛け持ちしていたセラー
出品価格より高いオファーが来て喜んで対応したら、「もう支払いは済んでいる」と言われて発送してしまいました。
PayPalに入金は当然なく、商品だけ消えました。
新規セラーのころの話ですが、今でも苦い記憶です。
👨🦱 20代・副業でeBayを始めた方
家族へのギフトだからと別住所への発送を頼まれて応じてしまいました。
その後ケースを開かれて、eBayから「登録住所以外への発送のため保護対象外」と言われ、泣き寝入りになりました。
※特定個人の発言ではなく、一般的な傾向をもとに構成した内容です。
詐欺を防ぐ「8つの対策」を具体的に解説


実際に被害を防ぐためにできることを、優先度が高い順にまとめます。
「全部やるのは大変」という場合は、②③⑧だけでも必ず実践してください。
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| 対策 | 目的 | 優先度 |
|---|---|---|
| ① 相手の住所をGoogle検索 | 実在する住所か確認 | 低(気休め程度) |
| ② 梱包時に動画を撮影 | 「商品が違う」クレームへの反論証拠 | 高 |
| ③ 不安な取引はeBayに随時相談 | 早めに履歴を残す | 高 |
| ④ 高額品はリピーターのみに販売 | 信頼できる相手だけと取引 | 高 |
| ⑤ 発送前にバイヤーとコミュニケーション | 雰囲気・違和感を事前察知 | 中 |
| ⑥ 返品前に梱包写真を依頼 | すり替えの証拠確保 | 中 |
| ⑦ 高額商品には保険を付ける | 損害をカバー | 高 |
| ⑧ 返品を開封する際も動画を撮影 | 空箱詐欺の証拠確保 | 高 |
各対策の詳細を順番に解説します。
① 住所確認(Googleマップ)
相手の住所をGoogleマップで検索して実在するか確認します。
ただし、バイヤーは住所をいくらでも偽れるため、これだけで安心するのは禁物です。
あくまで気休め程度の対策です。
② 梱包時の動画撮影
高額商品や不安を感じる取引では、梱包前・梱包中の商品を動画で撮影します。
「届いた商品が違う」「傷があった」といったクレームに対して、動画のスクリーンショットを証拠としてeBayのCSに提出できます。
これにより不当なケースが取り下げられる確率が上がります。
③ eBayのCSを積極活用
少しでも不安を感じた取引は、早めにeBayのカスタマーサービスに相談して履歴を残しておきます。
問題が大きくなったときにeBayが動いてくれやすくなります。
よくある質問や関税トラブルへの対応例文については、こちらの記事で詳しく解説しています。
④ 高額商品はリピーターへのみ販売
高額商品の取引リスクを下げる一番確実な方法は、信頼できるリピーターや固定客のみに販売することです。
一見さんから高額品を買うのはバイヤー側も不安なはずで、双方にとってメリットがあります。
サスペンドになれば翌月・翌々月の支払いが残ったまま収入がゼロになります。
避けられるリスクは避けるべきです。
⑤ 発送前のコミュニケーション
気休め程度ですが、相手の文章の雰囲気で違和感をつかめることがあります。
「焦らせてくる」「質問がどこか不自然」など、引っかかりを感じたら警戒レベルを上げましょう。
⑥ 返品前に梱包写真を依頼
返品リクエストが来たら、相手に返送前の商品の写真を送ってもらうよう依頼します。
到着した商品が違ったり壊れていたりした場合、その写真を配送会社や警察への証拠として使えます。
⑦ 保険を付ける
高額商品には必ず保険を付けます。
詐欺被害にあった場合でも、補償でカバーできる可能性が上がります。
保険なしで高額商品を発送するのは、安全ベルトなしで高速道路を走るようなものです。
⑧ 返品開封時の動画撮影
重さがおかしい、明らかに軽いと感じる返品品は、開封時に必ず動画を撮影します。
可能であれば配送業者の立会いのもとで開封するのが理想です。
空箱だった場合でも、この動画が証拠としてeBayや配送会社へ提出できます。
+ シリアル番号・商品番号の記録
カメラ・家電・ブランド品など個別識別できる商品は、発送前に必ずシリアル番号を控えておきます。
すり替え詐欺(別の同型商品を返送してくるパターン)の場合、シリアル番号の記録が唯一の証拠になります。
ネガティブ評価は後から消せますが、商品と代金を同時に失う損失は取り戻せません。



返品を開封するときも動画って、毎回やるのは大変そうですが高額品は絶対ですね。



②と⑧の動画撮影は、慣れると1〜2分で終わります。何百万円の損失リスクに対してこれだけで防線が張れるなら、絶対にやった方がいいです。面倒くさいと思う気持ちはわかりますが、やらずに後悔した話を何件も見てきました。
高額商品販売に「向いている人・向いていない人」
これは既存記事には書いていなかった観点ですが、僕が実際にセラーを見てきた中で感じたことを正直に書きます。
→ 横にスクロールして続きを見られます
| 向いている人 | 向いていない人 |
|---|---|
| eBayで100件以上の取引実績がある | 評価が50件未満の新規セラー |
| リピーターや固定バイヤーがいる | 一見さんばかりの取引がほとんど |
| 損失が出ても事業全体に影響しない資金力がある | その1件が失敗したら大きなダメージになる資金状況 |
| 梱包・発送・記録の管理が徹底できる | 発送業務を外注しており細かい確認が難しい |
| カテゴリの専門知識が深い(真贋判定できる) | 仕入れたジャンルの商品知識が浅い |
外注で業務を分担している場合、梱包時の動画撮影や番号確認がうまく機能しないことがあります。
外注化で失敗した経験から学んだことは、こちらの記事で詳しく書いています。
高額商品は「ハイリターン」に見えますが、その分「ハイリスク」です。
自分の状況と照らし合わせて、本当に今やるべきタイミングかを冷静に判断してください。



外注しているセラーは特に確認フローを整えないと危ないですね。



外注先が「梱包動画を撮る」「シリアル番号を控える」といった細かい作業まで確実にやってくれるかどうか、事前にフロー設計しておかないと穴になります。信頼できる人でも、最初は必ずダブルチェックを。
よくある質問
高額商品の詐欺対策に関するよくある質問をまとめました。
Q. チャージバックを受けたらどう対応すればいいですか?
まずeBayのカスタマーサービスに連絡し、取引の証拠(動画・追跡番号・やり取りの記録など)をすべて提出します。
カード会社の仲裁はeBayより強力なため、証拠が揃っているかどうかで結果が大きく変わります。
証拠がなければ不利になりやすいです。
Q. バイヤーの評価が少ない場合、販売を断れますか?
評価が少ない・未払いの履歴があるバイヤーは、eBayのブロック機能で事前に取引をブロックできます。
高額商品を扱う場合は特に、ブロックリストの設定を積極的に活用することをおすすめします。
Q. 空箱返品詐欺にあってしまった場合、警察に届けることはできますか?
できます。
ただし海外バイヤーが相手の場合、実際に立件されるケースは非常に少ないのが現実です。
それでも被害届を出しておくことで、eBayへの証拠提出や保険申請の際に役立つ書類になる場合があります。
Q. 梱包動画はどこに保存・提出すればいいですか?
クラウドストレージ(Google DriveやDropboxなど)に保存しておき、ケースが発生した場合にeBayのメッセージシステム経由でURLまたはスクリーンショットを提出します。
動画は最低でも取引完了から90日間は保存しておくと安心です。
Q. 保険はどこで付けられますか?
日本から発送する場合、郵便局(ゆうパック・EMS)やヤマト国際宅急便などで保険(補償付き)のオプションが選べます。
SpeedPAKやCPaSSなど格安配送サービスは補償が限定的な場合があるため、高額商品には補償が手厚い発送方法を選ぶことを検討してください。
※執筆時点の目安です。
最新の補償内容はeBay公式(” target=”_blank” rel=”noopener nofollow”>ebay.co.jp/info/)や各配送会社で必ず確認してください。
まとめ|高額商品リスクを知った上で戦略的に動く


eBayの詐欺リスクは、知っていれば防げるものがほとんどです。
逆にいうと、知らずに高額商品に手を出すと一撃で大きなダメージを受けることになります。
今回まとめた対策の中で、最低限やってほしいのはこの3つです。
- 梱包時と返品開封時に動画を撮影する
- シリアル番号・商品番号を必ず控えておく
- 不安な取引はすぐにeBayのCSに連絡して履歴を残す
高額商品を全く扱うなとは言いません。
ただ、信頼できるリピーターが育ってから、手厚い保険を付けた状態で、証拠を残せる梱包体制を整えた上で挑戦してほしいのが正直な気持ちです。
eBayで長く安定して稼ぎ続けるためには「1件の大きな利益」より「1件の大きな損失を出さない」ことの方がはるかに重要です。
売上より粗利が大事な理由については、こちらの記事で詳しく解説しています。



「避けられるリスクは避ける」というのがeBayで長期間活動するための基本だと思っています。高額品を扱いたい気持ちはわかりますが、まずはリピーターを育てることを最優先にしてほしいです。













