
ナリ
東京を拠点に、スモールビジネスを複数運営しています。サラリーマン時代に副業からビジネスを始め、その後独立。eBay輸出歴10年以上・最高月商1,300万円。
eBay輸出だけでなく、中国輸入・卸販売、自社EC、複数のオウンドメディア運営、リユース店舗の運営、実店舗ビジネスなど、さまざまな事業をゼロから立ち上げてきました。事業売却(M&A)は3回以上経験しています。
ナリブログでは、こうした実際の経験をもとに、eBay輸出・副業・スモールビジネスのリアルな情報を発信しています。
2026年、EU向け輸出の「見えないリスク」が大きくなっています

eBay輸出でEUへ販売している方、CEマークの対応は済んでいますか?
2021年に強化されたEUの製品規制は、今もじわじわとセラーに影響を与えています。
「知らずに発送したら税関で止まった」というケースは、2026年現在も報告が続いています。
この記事では、CEマークとは何か・誰に影響があるか・どう対処すればいいかを、実務目線でまとめます。
秘書CEマークって、具体的にどんな商品が対象になるんですか?



「自分には関係ない」と思っているセラーほど、実は対象商品を扱っていることが多いです。おもちゃ・電子機器・工具など、意外と範囲が広いので一度確認することを強くすすめます。
まずここを見てほしい|CEマーク関連リスクの実態数字


「規制があるのは知っている」と「実際に止められる確率」は、別の話です。
以下の数字を見ると、EU向け販売のリスクがより具体的に見えてきます。
- CEマーク規制の対象国:EU27カ国+EEA3カ国(計30カ国)すべてで税関停止のリスクあり
- 対象カテゴリ:電子機器・おもちゃ・工具・医療機器など幅広く、知らずに対象品を出品しているセラーが多い
- 2021年7月以降:「経済的利害関係者」情報の記載が義務化され、個人セラーへの規制ハードルが大きく上がった



EU27カ国すべてで止まる可能性があるんですか、それは怖いですね…
そもそもCEマークとは何か


CEマークとは、EU加盟国へ製品を販売する際に必要な安全適合マークです。
少し難しい言い方をすると「使用者・消費者の健康と安全を守るための基準を満たしていることを証明するマーク」です。
身近な例えで言うと、日本の電化製品に付いている「PSEマーク」のEU版だと思ってください。
PSEがなければ日本で売れないように、CEがなければEUで売れない、というイメージです。
CEマークを製品に貼付するためには、認証権限のある公認機関(ノーティファイドボディ=EUが公式に認定した第三者検査機関のこと。
日本で言えば「国が認めた検査センター」のようなもの)に、指令の要求事項に適合しているかの判定を依頼するのが一般的です。



「CEマーク=ヨーロッパ向けの品質証明」という認識で最初はOKです。ただ、自己宣言で貼れる製品と、必ず第三者機関の審査が必要な製品があるので、カテゴリごとに確認が必要です。
CEマークが必要な国・商品はどこ?
CEマークが必要なのは、EU27カ国+EEA(ノルウェー・アイスランド・リヒテンシュタイン)への販売です。
日本からeBayで発送する場合も例外ではありません。
対象となる主な製品カテゴリは以下のとおりです。
- 電気・電子機器:電源アダプタ、照明器具、家電部品など
- おもちゃ(TOY):子ども向けフィギュア、知育玩具など
- 工具・機械類:電動工具、農業用機械など
- 医療機器:体温計、血圧計など
- 個人保護具:ヘルメット、安全靴など
- 建材・資材:防火素材、圧力容器など
おもちゃ(TOY)もCEマークの対象に含まれている点は、見落としがちなポイントです。
カテゴリの詳細は執筆時点の情報を参考にしており、変更されている可能性もあります。
必ずEU公式の最新情報を確認してください。



おもちゃも対象なんですね。日本のフィギュアを売っているセラーは要注意ですか?



フィギュアや模型系は要注意です。子ども向けでなくても「TOY」と判断されるケースがあります。商品ページの説明文や対象年齢の記載にも気をつけてください。
2021年以降に追加された「経済的利害関係者」ルールとは


これが、多くの日本人セラーに直撃した新しい規制です。
eBayが公式に示しているポリシーの要点をまとめると、こうなります。
- 2021年7月16日以降、EU向けにCEマーク製品を販売する場合、EU域内に拠点を置く「経済的利害関係者(Economic Operator)」の情報を製品または包装に記載する必要がある
- 経済的利害関係者とは、メーカー・輸入業者・正規代理人・フルフィルメントサービス提供者などのいずれかで、EU内に実際の拠点があることが条件
- 大手ブランド品の多くはすでにEU拠点を持っているが、個人セラーが仕入れた商品にはこの情報が記載されていないケースが多い
- この情報がない場合、商品が税関で止まる・バイヤーへの配達が拒否されるリスクがある
つまり、「CEマークが貼ってある商品を売っているだけ」では不十分で、EU拠点の業者情報まで確認・記載しないといけないということです。
個人セラーにとってこれはかなりハードルが高い要件です。
EU向け販売の規制と収益性をより詳しく比較したい方は、EU向け販売は続けるべきか、米国との規制・利益比較の記事で詳しく解説しています。



正直、この「経済的利害関係者」の要件は個人セラーにはかなり厳しいです。大手ブランドの転売であれば問題ないケースも多いですが、ノーブランド品や中華仕入れ品は特に注意が必要です。
対処法は3つ|自分のスタイルに合った選択を


「じゃあ、どうすればいいの?」という話です。
実務的には以下の3つの対処法が考えられます。
- EU向け発送を除外する(難易度:低):EU比率が低い・面倒を避けたい人向け。リスクをゼロにできる最も手軽な方法
- 対象商品だけEUを除外する(難易度:中):EU向けも売り続けたい人向け。カテゴリ単位でリスクをコントロールできる
- EU拠点の代理人を探す(難易度:高):EU販売を本格的に続けたい人向け。コストと手間はかかるが、規制に正面から対応できる
一番手軽なのは、ビジネスポリシーの発送設定でEUを除外する方法です。
eBayのビジネスポリシー管理画面(bizpolicy.ebay.com)から、発送先の国・地域を個別に設定できます。
リスクを取りたくない商品カテゴリだけEUを外す、という使い方もできます。



EU除外の設定って、商品ごとにできるんですか?全部一括で変えるしかない?



ビジネスポリシーはポリシー単位で設定できるので、「電子機器カテゴリ用のポリシーだけEU除外」といった使い方もできます。全商品を一括で変えなくてもいいので、柔軟に調整してみてください。
EU向け販売は続けるべき?ナリの正直な見解


これは正直に言います。
EU向け販売比率が低いなら、今すぐEUを除外しても収益への影響は小さいはずです。
一方で、EU市場は購買力が高く、アメリカ以外の販路として魅力的なのも事実です。
僕が思う判断基準はシンプルで、こうです。
- EU向け売上が月商の20%未満なら、まずEUを除外してリスクをゼロにする
- 20%以上の売上がEU向けなら、EU拠点業者との提携を真剣に検討する価値がある
- CEマーク対象外の商品(アパレルの一部・書籍・アートなど)ならそのまま継続でOK
規制対応に時間とコストをかけるよりも、アメリカ・カナダ・オーストラリアなどの販路を厚くする方が、多くのセラーにとって現実的だと思っています。
規制ラッシュをチャンスに変える視点については、関税・規制をむしろ追い風にするeBay輸出の戦い方でも詳しく書いています。
参考にしてみてください。



「完全に販売できないわけではない」というのは今も変わりません。ただ、対応コストを考えると、EU比率が低いセラーはまず除外設定から入るのが現実的だと思います。
関連する規制も把握しておこう|HSコード・CPSC
CEマーク対応を機に、他の規制も一緒に確認しておくと安心です。
特に以下の2つは、eBay輸出をしているなら必ず知っておきたい規制です。
- HSコード:輸出入の通関に使う商品分類コードのこと。間違えると関税額が変わったり、通関が止まったりするリスクがあります。HSコードの調べ方と間違えた場合のリスクはこちらの記事で解説しています。
- CPSC規制:アメリカ向けの消費者安全規制(Consumer Product Safety Commission=米国消費者製品安全委員会が定めるルール)で、EU向けのCEマークとは別の話です。米国販売が中心の方はこちらも確認が必要です。eBay輸出のCPSC規制と日本人セラーへの影響はこちらで詳しく解説しています。
どちらも「知らなかった」では済まない規制なので、早めに把握しておくことをおすすめします。



CEマーク・HSコード・CPSCと、規制の種類が多くて頭が混乱してきます…



規制の多さは確かに大変ですが、「どの国向けに何を売るか」で絞れば、自分に関係するものはそこまで多くないはずです。販売先・商品カテゴリを軸に整理してみるといいですよ。
よくある質問
CEマークとeBay輸出に関してよく聞かれる質問をまとめました。
- Q. CEマークがない商品をEUに送ると、必ず止まりますか?
必ず止まるわけではありませんが、税関で止まるリスクは確実にあります。特にCE対象カテゴリ(電子機器・おもちゃ等)は通関で確認されやすいため、リスクを取らない選択が現実的です。 - Q. CEマークは自分で貼れますか?
製品によっては自己宣言で貼れるケースがありますが、第三者機関(ノーティファイドボディ)の審査が必要なカテゴリも多いです。無断で貼ると違反になるため、カテゴリごとに確認が必要です。 - Q. ビジネスポリシーでEUを除外するとどうなりますか?
EU加盟国のバイヤーがあなたの商品を購入できなくなります。EU向け売上が少ない場合はリスク回避として有効な手段です。設定はeBayのビジネスポリシー管理画面から変更できます。 - Q. ブランド品の転売ならCEマーク対応は不要ですか?
大手ブランド品の多くはすでにEU拠点の経済的利害関係者情報を持っています。ただし、商品や包装に実際にその情報が記載されているかを確認する必要があります。全てのブランド品が自動的にOKなわけではありません。 - Q. 規制情報はどこで最新情報を確認できますか?
eBay公式のセラーポータル(ebay.co.jp/ddp-info)および欧州委員会の公式サイトで確認できます。規制は変更が多いため、定期的なチェックをおすすめします。











