
ナリ
東京を拠点に、スモールビジネスを複数運営しています。サラリーマン時代に副業からビジネスを始め、その後独立。eBay輸出歴10年以上・最高月商1,300万円。
eBay輸出だけでなく、中国輸入・卸販売、自社EC、複数のオウンドメディア運営、リユース店舗の運営、実店舗ビジネスなど、さまざまな事業をゼロから立ち上げてきました。事業売却(M&A)は3回以上経験しています。
ナリブログでは、こうした実際の経験をもとに、eBay輸出・副業・スモールビジネスのリアルな情報を発信しています。
「輸出だから古物商許可はいらない」は大きな誤解です

eBay輸出をしている人から、こんな質問をよくいただきます。
「海外に売るんだから、古物商許可はいらないですよね?」
結論から言います。
いいえ、必要です。
国内で中古品を仕入れて販売するビジネスモデルである以上、販売先が日本国内でも海外でも、古物商許可は原則として必要になります。
この点を知らずに1〜2年eBay輸出を続けてしまっているケースも少なくないので、まずここをしっかり押さえておきましょう。
秘書え、輸出でも許可が必要なんですか…?知らなかった人も多そうですね。



「輸出だから関係ない」と思っていた方は要注意です。僕も最初に調べたときは少し驚きました。法律は販売先の国ではなく、仕入れる場所(日本国内か否か)を見ているんです。
まずひと目で整理:古物商許可の基本数字


難しく考える前に、まず数字で全体像をつかんでおきましょう。



申請費用は思ったより安いですね。むしろ取らない理由がないかも。
Q. そもそも古物商許可って何のためにあるの?


古物商許可は「盗品が市場に流通するのを防ぐ」ための制度です。
たとえるなら、スーパーで食品の産地を表示するルールと似ています。
「どこから来たものか」を追跡できる仕組みにすることで、悪いものが紛れ込まないようにする、というイメージです。
法律的には古物営業法という法律が根拠で、中古品を売買・交換する目的で仕入れを行う個人や法人は、営業前に都道府県公安委員会(窓口は警察署)に許可申請をする義務があります。
ただし、以下のケースは許可が不要です。
- バザーやフリーマーケットでの不用品処分(営業目的がない場合)
- 自分が使っていたものを個人として売る場合
転売・せどりとして継続的に仕入れ・販売を行う場合は、ほぼ全員が許可の対象になると考えておいてください。



警察署に申請すると聞くと身構える方も多いですが、実際の窓口対応は思ったより丁寧で、電話で事前に相談するとスムーズです。管轄の警察署に問い合わせてみてください。
Q. 取らないとどうなる?罰則はどのくらい厳しいの?
無許可で古物の売買を続けた場合、古物営業法違反として以下の罰則が科されます。
| 違反の種類 | 罰則の内容 |
|---|---|
| 無許可営業(古物商許可なし) | 3年以下の懲役または100万円以下の罰金 |
| 本人確認義務の違反 | 6か月以下の懲役または30万円以下の罰金 |
| 許可取消後の再取得制限 | 取消から5年間は再申請不可 |
単なるペナルティではなく、前科がつく可能性もあります。
「eBay輸出を1〜2年やってきたのに、古物商許可も台帳もない」という状況は、正直かなりリスクの高い状態です。
早めに整備することを強くおすすめします。



前科がつく可能性もあるんですね…これは早急に確認しないとダメですね。



「バレなければいい」という考え方は危険です。eBay輸出で実績が出てくると税務調査や各種の届け出が絡んでくる場面も増えます。そのときに許可が未取得だと一気に問題が大きくなります。
Q. eBay輸出で「許可が必要な場合」と「不要な場合」の違いは?


eBay絡みの取引でも、シーンによって扱いが変わります。
整理するとこうなります。
| シーン | 古物商許可の要否 | 理由 |
|---|---|---|
| 国内で中古品を仕入れてeBayで海外販売 | 必要 | 国内での仕入れ行為が古物営業法の対象になるため |
| eBay(海外)から商品を仕入れて転売 | 基本不要 | 古物営業法は日本国内での盗品流通防止が目的のため、海外からの仕入れは原則対象外 |
| 輸入業者として海外から大量仕入れ | 必要になる場合あり | 業態・規模によって別途確認が必要 |
eBay輸出のメインモデルである「国内でリサイクルショップ・フリマアプリ・オークションで仕入れ→海外に輸出」は、間違いなく古物商許可の対象です。
「輸出するから不要」という理解は法的に通用しません。
この点だけは必ず覚えておいてください。
Q. 未使用品でも古物扱いになるの?
はい、未使用品でも「古物」になる場合があります。
ヤフオクやメルカリで「未使用品」「新品同様」と書かれている商品を仕入れるケースがありますが、これも原則として古物扱いです。
古物営業法の定義では、「一度でも一般消費者の手に渡ったもの」は古物とみなされます。
つまり、誰かが購入して使わずに出品したものは、新品タグ付きでも古物になります。
「新品なら大丈夫」と思って許可を取らずにいるのは危険なので、仕入れ先がどこであれ、継続的に売買するなら許可を取得しておくのが安全です。



「未使用品だから大丈夫」と思っていた方、結構いそうですね。
見落とされがちな落とし穴:オンライン仕入れでの本人確認と台帳記帳


古物商許可を取得したあとに義務が発生するのが、「本人確認」と「古物台帳への記帳」です。
本人確認は、運転免許証などの写しをもらい、その住所宛てに本人限定郵便を送る、というのが基本的なやり方です。
なりすましを防ぐための仕組みですね。
台帳には、下記のような内容を取引のたびに記帳します。
| タイミング | 記帳する主な項目 |
|---|---|
| 買い取る際 | 年月日・区別(買受/下取/委託など)・品目・特徴・数量・代価・確認方法・相手の住所・氏名・年齢・職業 |
| 売却する際 | 年月日・区分(売却/廃棄など)・代価・相手の住所・氏名 |
古物台帳は都道府県の防犯協会で購入できますし、通販でも手に入ります。
Excelで管理している方も多く、フォーマット自体は自作でも問題ありません。
問題になるのがオンライン仕入れです。
フリマアプリやネットオークションで仕入れる場合、相手が匿名のことも多く、「身分証を見せてください」と言っても対応してもらえるケースはほぼありません。
だからといって台帳記帳をゼロにしていいわけではなく、「できる範囲で埋めて保管する」ことが義務として残ります。
具体的にどこまで書けばいいかは、管轄の警察署に直接確認するのが一番確実です。
電話で丁寧に教えてくれますよ。



オンライン仕入れでの本人確認は「現実的に難しい」というのが正直なところです。ただ、台帳に書ける情報(取引日・出品者ID・金額・品目など)は必ず残しておくべきです。万が一のときに「記録がある」のと「一切ない」では大違いです。
許可を取るまでの手順:実際に何をすればいいか


古物商許可の取得は、手順を知れば難しくありません。
申請から許可が下りるまでおおよそ40日前後(目安)かかると言われています。
余裕を持って早めに動きましょう。



40日もかかるんですね。売り上げが出てから慌てて取ろうとすると、その間ずっとグレーな状態になってしまいますね。



申請費用の目安は執筆時点の情報です。都道府県によって金額が異なる場合があるので、必ず申請先の警察署か各都道府県の公安委員会サイトで最新の金額を確認してください。
eBay輸出と古物商許可、まとめと対策


ここまでをまとめます。
- 国内で中古品を仕入れてeBayで販売する場合、古物商許可は必要
- 無許可営業は3年以下の懲役または100万円以下の罰金の対象になる
- 未使用品でも「一度人の手に渡ったもの」は古物扱い
- 許可取得後は古物台帳への記帳と本人確認(努力義務)が必要
- オンライン仕入れでは完全な本人確認が難しいが、台帳記帳はできる範囲で継続する
eBay輸出を1〜2年続けてきたのに古物商許可もなく、台帳の保管も一切していないという状態は、率直に言ってかなり危険な状況です。
今すぐ管轄の警察署に相談して、できるだけ早く整備することを強くおすすめします。
消費税還付やインボイス制度の話など、eBay輸出に関わる税務・法務の論点は他にもあります。
インボイス制度と古物商特例の最新情報はこちらの記事でまとめているので、あわせて確認してみてください。
また、eBay輸出そのものの収益性や将来性が気になる方は、「eBay輸出はオワコンなのか?」の記事も参考になります。
古物商許可の申請にはどのくらい費用がかかりますか?
執筆時点の一般的な目安は1万9000円程度ですが、都道府県によって異なります。申請前に管轄の警察署か各都道府県の公安委員会サイトで最新の金額を必ず確認してください。
eBayで海外から仕入れて国内で売る場合も許可が必要ですか?
海外からの仕入れ自体は古物営業法の対象外が原則です。ただし、輸入業者として一定規模以上の取引をする場合は別途確認が必要です。eBay輸出(国内仕入れ→海外販売)とは逆のモデルですが、念のため規模に応じて専門家に相談するのが安全です。
フリマアプリで仕入れる場合も台帳記帳は必要ですか?
必要です。相手が匿名で完全な本人確認が難しい場合でも、取引日・品目・金額・出品者IDなど書ける情報は台帳に残してください。管轄の警察署に「オンライン仕入れの際の記帳方法」を確認しておくと安心です。
古物商許可はどこで申請できますか?
営業所を管轄する警察署の生活安全課(名称は署によって異なります)が窓口です。事前に電話で確認してから行くとスムーズに進みます。
eBay輸出で扱う商品はどの種目で申請すればいいですか?
美術品類、衣類、時計、道具類などが多いです。複数の種目を扱う場合は複数申請できます。不明な場合は申請前に警察署に電話で相談するのが一番確実です。













