今回は商標トロールの被害についてお伝えします。
誰にでも起こりうることで、被害にあったB様の恩義もあり貴重なお話をシェアさせて頂きます。
突然の資金保留
まず、突然ebayからこのような連絡が来たようです。
Your payouts are currently on hold because your eBay payment account is restricted. A U.S. Court has directed eBay to freeze your account. Please reach out to plaintiff’s attorney at NMonroeYavneh@thoits.com for more information and to resolve the matter.
Court Order Details
Court: U.S. District Court for the Southern District of New York
Plaintiff: TEE TURTLE, LLC
Trademark/Copyright/Patent at issue: TEE TURTLE
Court Case Title: TEE TURTLE, LLC v. THE INDIVIDUALS, CORPORATIONS, LIMITED LIABILITY COMPANIES, PARTNERSHIPS, AND UNINCORPORATED ASSOCIATIONS IDENTIFIED ON SCHEDULE A TO THE COMPLAINT, Defendants.eBay did not decide to freeze your account, it was ordered to do so by a judge. Please understand that eBay cannot release this freeze on your payouts until we receive instructions from the plaintiff’s attorney, or we receive a copy of a notice of dismissal or satisfaction of judgment that has been filed with the court. This matter must be resolved with plaintiff’s attorney or defended in court. Plaintiff’s attorney can be contacted at the above email address. An attorney can explain to you how to defend the lawsuit in court.
If you have not heard from plaintiff’s attorney after 5 days, we will be happy to request they respond to you. If you need us to reach out, please contact VeRO@ebay.com.
内容ですが、米国の裁判所がその資金やアカウントを凍結する判断を下し、それら特許を主張した企業名や今後の流れ(こちらも何ができるか)が書かれています。
調べた限り訴えを起こしているのはこちらの特許を所有する企業かと思われます。
更に数日後に訴状が届く
更に数日後、B様の元へ訴状が届きました。
親愛なるサーまたはマダム、
ケース ○○で原告 Tee Turtle, LLC によって提出された訴状のスケジュール A に記載されている 1 つまたは複数の被告インターネット ストアを運営している被告として、あなたが特定されたことに注意してください。原告は、著作権侵害、商標侵害、および関連する請求を禁止する米国連邦法の違反で被告を起訴しました。また、裁判所がこの訴訟の被告に対して一時的な差し止め命令を出したことにも注意してください。このメッセージには、召喚状、苦情、および命令の写しが添付されています。
また、裁判所は、2022 年 11 月 3 日午前 11 時に仮差止命令の発行を求める原告の要求に関する公聴会を設定したことにも注意してください 。関連する裁判所命令のコピーがこのメッセージに添付されています。一時的差し止め命令および仮差止命令の理由を示す命令に対する応答は、弁護士に送達され、ニューヨーク州南部地区連邦地方裁判所の裁判所書記官にも提出されなければなりません。被告は、まだ弁護士を依頼していない場合は、弁護士を依頼することをお勧めします。
訴状に対する回答またはその他の回答は、送達日を除いて、この電子メールの受信から 21 日以内に弁護士に送達し、米国地方裁判所の裁判所書記官に提出する必要があります。ニューヨーク南部地区。
これらおよびその他の法的文書は、原告の弁護士 ( kkavanaugh@thoits.com ; NMonroeYavneh@thoits.com ; dhutchinson@thoits.com ; dcevasco@thoits.com ; および ctom@thoits.com ) および以下から入手できます。ウェブサイト: http://teeturtle-cases.com/case-22-cv-08888.html
心から、
ネイサンNathan Monroe-Yavneh
Thouits 法| 400 Main St、#250、カリフォルニア州ロスアルトス 94022
650.327.4200 | www.thoits.com | NMonroeYavneh @thoits.com機密保持通知。この電子メールとそれに付随する添付ファイルに含まれる情報は、すべて機密情報または機密情報である可能性があり、宛先の個人または団体のみが使用することを意図しています。あなたが意図された受信者でない場合、この電子メールとその内容を無断で使用、開示、またはコピーすることは固く禁じられており、違法となる可能性があります。あなたが意図された受信者でない場合は、返信メールで送信者にすぐに通知し、元のメッセージとすべてのコピーをシステムから削除してください。ありがとうございました。
添付にはほかに100近いセラーのIDが記載されていたようです。
そもそも商標トロールとは何なのか?
商標・トロール(patent troll)は、一自らが保有する特許権などを侵害している疑いのある者に特許権を行使して巨額の賠償金やライセンス料を得ようとする者を指す蔑称です。
つまりebayで販売している商品の特許権を侵害されたとして、弁護士などを通じてセラーに和解金を持ち掛ける行為ともとれます。
商標・トロールは自らは製品の製造やサービスの提供を行っておらず、他社の特許を侵害するリスクがないので、強気に権利行使することができるともあります。
商標トロールの被害にあったらどうすべきか?
まだ弊社で経験がない為具体策は開示できませんが、相手が和解金を狙っているのは間違いない為、こちらもまずは専門の弁護士などに相談するのがおすすめかと思います。
商標トロールを避けるには?
正直商標トロールに狙われてしまう可能性は誰でもあります。
ただできるだけそのような報告があった商材や関連のジャンルは扱わないのがいいでしょう。
商標トロールの被害にあった商材は報告やネットを見る限りこれだけあるようです↓
- 初音ミク
- ダイソン
- 武器関連
- バービー人形
- モンチッチ
- ケアベア
- ニンジャタートルズ
- ミラキュラス レディバグ&シャノワール(奇跡のてんとう虫)
- ねんどろいど
- BOSE
- 医薬品、食品
- イギリス系バンド商品
- ミッフィー
- アインシュタイン(舌を出してる有名な写真)
- 機関車トーマス
- ビートルズ
- UNO
- カナヘイ
- LOL サプライズ!(エルオーエル サプライズ)
万が一の事を考える
万が一商標トロールに狙われた場合は資金保留や和解金の損害がでます。
このようなリスクは誰にでもある為、決してebayだけで多くの売上をつくらずに、国内でも分散して売上がつくれるように経営していくのは、長期的に考えるといいのかもしれません。
今回はB様の恩義でこの貴重なお話をシェアして頂けました。
ebayもジャパンもこの件に対してどのような見解なのか知りたいところです。
でないと日本人セラーは安心して販売できませんし、広告で『円安だから今こそebayやりましょう』みたいなのは絶対出すべきではないです。
その後
弁護士の話ですと、そもそも日本ではメールに添付された訴状は無効であることと、この訴状に弁護士を立てて海外の弁護士と交渉することは和解に持ち込めたとしても弁護士報酬と和解金で多額の出費が発生するので相手にしない方が良いのでは。とのことです。
また私のebayアカウントで保留されてる金額も幸いにも少額だったのでこのアカウントは捨てて無視した方が良いとの事です。アメリカに資産があれば凍結されますが、日本の資産を凍結するために費用をかけてまではしないだろうとの事でしばらくは相手にせずに様子を見ましょう。との結論になりました。
ebayジャパンにも相談しましたが、全く返答もなくebayにも何度かメールしましたが、裁判所の命令に従ってアカウントの凍結をしただけなので、ebayは関知しません、的な返事しか来ない状況で今後、多額の費用をかけてアカウントの凍結が溶けてもまた安心してビジネスが出来る気がしません。勿論どんなビジネスにもリスクはありますが、今回のような理不尽な理由でビジネスを止めるのは腑に落ちない気持ちはありますが、このアカウントは捨てることにしました。
ツール利用者限定
ツールをご利用いただいている方限定で具体的にどのように商標トロールを防ぐのかを解説しております↓